女性の投資行動を探る: 情報の壁と学びの意欲が鍵に

女性の投資行動と必要なサポート

株式会社オノフは、全国の20歳から69歳の女性を対象に「女性の投資に関する意識調査」を実施しました。この調査は、女性の投資行動や意識、またその背景にあるニーズを明らかにすることを目的としています。

調査の目的と方法

調査では、女性が投資をするきっかけや現在の投資状況を把握するほか、年代別、年収別の傾向を分析しています。調査の対象は、全国の女性2983名で、調査期間は2025年6月2日から4日まででした。

調査の結果、多くの女性が「投資に興味はあるが、まだ始めていない」ことが分かりました。特に、投資を行っていない層の20.7%が「投資に関心を持っている」と回答しましたが、その理由の多くは「知識が不足していて不安」「リスクが怖い」「手続きが難しい」といったものでした。これらは明らかに情報の欠如が大きな心理的障壁になっていることを示唆しています。

学びに対する意欲

一方で、すでに投資を行っている女性たちからは「学び続けたい」という声が多く寄せられています。「ロボアドバイザーを使って自分に合った商品を知りたい」という意見や、「リスクを抑えた運用方法を学びたい」といったニーズが上昇しており、継続的に学ぶ必要性が強調されました。興味を持った層の中では、初心者向け勉強会にも関心が高く、25%を超える女性が参加したいと考えていました。

パーソナライズされた情報の重要性

調査結果の中で特筆すべきは、「ロボアドバイザー診断」や「ファイナンシャルプランナーとの相談」が、それぞれのニーズに応じて評価されている点です。特に未婚・子なしの層で関心が高く、個別相談を通じてより深い理解を求めているようです。このことは、自分だけでは判断が難しい投資に関して、第三者の視点が心強く感じられることを意味しています。

個人年収が高い女性においては、特に投資金額が多く、保有金融商品の種類が豊富であることが明らかになっています。高年収層において投資の分散志向が強く、一層の知見を求める姿勢が共通して見受けられました。

投資を始めるきっかけ

調査では、投資を始めるきっかけとして「NISAの利用が多い」との声がありました。全体的には25.5%がNISAを利用したいと考えており、その他にも私的年金制度への興味も6%の支持を受けていました。しかし、「ポイント還元を知ったから」といった理由の割合は7.9%に過ぎず、投資行動の決定には他の要因が強く影響していることが分かりました。

特に20代では、ポイント運用や収入の変化をきっかけにする割合が高い傾向がありました。一方で60代では、周囲からの影響が強く、家族や友人の勧めで投資を始める場合が多く見られます。

未来の投資意向

今後の意向を尋ねたところ、「安定的な運用を目指したい」との回答が全体の56%を占めました。この傾向は特に30代70%の女性に強く見られ、段階を経て投資額を増やしたいと考えていることが伺えます。

さらに、「初心者向けの勉強会」や「動画で学ぶノウハウ」に関心を持つ層が多く、信頼性のある学びの場を求めていることが分かりました。年代や家族構成ごとに必要なサポートが異なるため、それに応じた情報提供の方法が今後求められるでしょう。