ウィザス株主総会: GES提案
2024-07-04 09:47:36

ウィザス株主総会: GESの提案は否決、しかし賛成率は高く今後の経営に影響か?

ウィザス株主総会: GESの提案は否決、しかし賛成率は高く今後の経営に影響か?



2024年6月27日に開催された株式会社ウィザスの第48回定時株主総会において、Swiss-Asia Financial Services Pte Ltd(SAFS)の運営ファンドであるGlobal ESG Strategy(GES)が提出した株主提案は全て否決されました。しかし、一部議案では高い賛成率を獲得し、GESの主張に多くの株主が共感していることが明らかになりました。

特に注目すべきは、第3号議案「定款第38条の削除の件(剰余金の配当等の決定機関について)」と第10号議案「買収防衛策の廃止の件」で、それぞれ41.93%、41.85%もの賛成率を獲得したことです。これらの議案は、ウィザスのガバナンス体制や財務戦略に対する株主の懸念を反映していると言えるでしょう。

# ネットキャッシュの活用方針をめぐる議論



総会では、ウィザスが抱える多額のネットキャッシュの活用方針について、GESから鋭い質問が投げかけられました。ウィザス側は、期末には高校・大学事業の授業料収入が集中するため、期末にはネットキャッシュが例年60億円強になるものの、期中は減っていくこと、また、月商の3か月分に相当する約30億円を手元流動性として確保する必要があると説明しました。

しかし、GESは、30億円の借入れを行えば、貸借対照表の右側に30億円の有利子負債が計上される一方、左側には30億円のキャッシュが計上され、ネットキャッシュとしてはゼロとなるものの、手元流動性は30億円確保できている点を指摘。ウィザス側の説明では、なぜ70億円ものネットキャッシュが必要なのかが明確になっていないと主張しました。

さらに、GESは、ネットキャッシュをどこまで積み上げる方針なのか、どのように活用していくのかなど、具体的な財務方針について質問しましたが、ウィザス経営陣は明確な回答を避けていました。

# 買収防衛策の適用範囲も明らかに



第12号議案「定款の一部変更の件(買収防衛策の創業者関係者らへの適用について)」では、GESの質問により、買収防衛策が創業者関係者にも適用されることが明らかになりました。ウィザス側は、当初、買収防衛策は取締役会が事前に同意したものには適用しないと説明していましたが、GESの追及によって、現時点で取締役会が事前に同意しているものはなく、創業者関係者も保有株数を増加させる場合は買収防衛策の対象となることが明らかになりました。

# 今後のウィザスの行方



今回の株主総会で浮き彫りになったのは、ウィザス経営陣の透明性の欠如と、株主に対する説明責任を果たしていない現状です。GESは、今後もウィザス経営陣との対話を続け、ガバナンス上の問題点の解消と真に資本効率を追求する経営の実現を目指していくとしています。

今回の株主総会での出来事は、ウィザスが今後の経営戦略を見直す契機となる可能性があります。株主からの圧力が高まる中、ウィザスがどのように対応していくのか、今後の動向に注目が集まります。


画像1

画像2

トピックス(経済)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。