日本におけるムスリム訪問者のニーズ調査
株式会社Halal Naviが実施した調査によると、日本を訪れるムスリム観光客はハラルフードの入手に関して、86.1%が「心配している」と回答しています。また、83.6%が、礼拝ができる場所を見つけるのが困難だと感じています。この調査は、1,581人のムスリムからの貴重な意見を集め、日本におけるムスリム観光の現状を浮き彫りにしました。
調査の背景
日本政府は2030年に訪日観光客数を6,000万人にすることを目標とし、ムスリム観光客の受け入れに力を入れています。実際、グローバル・ムスリムトラベル・インデックス(GMTI)で日本はOIC非加盟国のランキングで第6位に名前を連ねており、ムスリムフレンドリーな国としてのポテンシャルを持っています。しかし、依然としてさまざまな課題も存在しています。
食事に関するニーズ
調査では、ムスリム参加者の86.1%が、レストランや飲食店でのハラルフードの提供が重要だと答え、77.9%がスーパーでのハラルフードの入手可能性を重視しています。さらに、ハラル認証の信頼性や価格に関する懸念も表明されています。特に、ハラル対応の日本食(ラーメン、寿司、すき焼きなど)への期待が高く、具体的な店舗名として「一蘭」、「HALAL麺亭 成田屋浅草」、さらには「セブンイレブン」などが挙げられています。
観光ニーズ
また、観光面では91.5%のムスリムが自然公園や観光地を訪れたいと回答しました。訪れたい場所には、京都や東京の寺院、富士山や沖縄のビーチなど、多様な選択肢が挙げられています。一方で、伝統文化体験や着物、茶道といった日本の文化に対する興味も高まっています。
礼拝場所の不足
一方で、全体の83.6%が、日本国内で礼拝できる場所を見つけるのが難しいと述べています。駅や観光地などに、もっと多くの礼拝スペースが設置されることを望む声が強く、特にアクセスが容易であることや、英語表記の看板の充実が求められています。
今後の課題と展望
株式会社Halal Naviは、これらのニーズに対応するために、全国の自治体や企業に対してPR支援とインバウンド支援を行っています。この調査結果は、ムスリム観光客へのサービス拡大に向けた具体的な行動指針を提供するものであり、さらなる施策の充実を目指して取り組んでいく方針です。日本におけるムスリムの受け入れ環境を向上させ、より多くの訪問者を迎えるための努力は続きます。
調査概要
- - 実施期間: 2024年2月4日〜7日
- - 回答者数: 1,581件
- - 調査方法: インターネット調査
本調査の全データを希望される方は、Halal Naviの公式サイトからお申し込みください。