量子に強い暗号通信
2025-01-15 11:11:18

NTT Com、量子コンピューター実用化時代に向けた新たな暗号通信の実証成功

NTT Comが実現した次世代暗号通信



NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は、プライバシーを守りながら安全にデータを扱うことができる新たな暗号通信技術の実証に成功しました。この技術は、世界初の試みとして注目されています。暗号通信は、今後量子コンピューターが実用化されることに伴い、既存の暗号方式が解読される危険性が指摘されています。このリスクに対処するため、NTT Comは次世代の暗号技術を開発しました。

急務だった次世代暗号技術



2030年を見据えた量子コンピューターの進化は、既存の暗号技術に対する信頼を揺るがすものです。特に、金融機関など機密性が求められる分野では、これまでの暗号技術から次世代技術への移行が求められています。アメリカのNIST(米国国立標準技術研究所)を含む各国では、量子コンピューターでも解読不可な暗号技術の開発が急務とされています。そこで、NTT Comは自身の持つ特許技術とIOWN PETsの耐量子セキュアトランスポートを活用し、新たな暗号通信技術の実証実験を行いました。

実証実験の内容と成果



実証実験では、複数の次世代暗号技術を基にした安全な通信手段を確認しました。具体的には、スマートフォンやタブレットを用いて暗号化されたWeb会議機能の構築を行い、参加者間の通信が量子コンピューターによって解読されることはないことが確認されました。鍵交換機能はNTT Comのクラウドシステムを介して行われ、解読の可能性を排除するためのセキュアな供給プロセスが確立されました。

NTT Comの特許技術が支える安全性



今回の技術は、耐量子計算に対する暗号化を基盤にしています。具体的には、Post-Quantum Cryptography(PQC)という次世代暗号技術が実際に使用され、将来的に新たな解読方法が発見された際にも簡単に暗号方式を変更できる柔軟性を持っています。これにより、セキュリティの向上が期待できます。また、NTT Com独自の特許技術を活用して生成された共通鍵は、Pre-Shared Key(PSK)によって管理されており、通信中にリークするリスクを軽減しています。

未来への展望



NTT Comは、本実証実験を通じて得た知見を基に、次世代暗号通信技術の商用化を目指します。特に、機密性が求められる分野への応用を考慮しつつ、量子コンピューターの時代に合わせたユースケースの創出を図ります。

この革新技術は、未来のデータ通信を支える重要な要素となるでしょう。顧客の信頼を得るために、今後も安全で安心な通信環境を提供し続けることが期待されます。


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