生成AIで介護業務改善
2025-03-28 12:37:43

新潟県上越市の介護事業所で生成AIが業務効率56%改善に成功

新潟県上越市での生成AI活用



新潟県の上越市に所在する複数の介護事業所で、生成AIを基にした実証事業が行われ、その結果業務効率が56%向上するという成果を見せました。このプロジェクトは、上越5e協議会と株式会社丸互、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)の協力により実施されました。これらの組織はAI技術を活用し、介護分野における人手不足の問題を解決することを目的としています。

背景と目的



介護現場では、高齢者の増加と生産年齢人口の減少に伴い、人手不足が深刻な問題となっています。厚生労働省によると、2025年までに介護人材の需要は253万人に達すると予想されていますが、供給は約215.2万人にとどまる見込みです。この状況に対処するため、AI技術の導入が急務とされています。特に、ChatGPTをはじめとする生成AIの進化は、介護業界でも大きな期待を寄せられています。

しかし、生成AIの正確な結果を得るためには大量の学習データが必要であり、個人情報保護に関するリスク管理も考慮する必要があります。こうした背景を受けて、NTTは40年以上にわたる自然言語処理の研究成果を活かし、生成AI「tsuzumi」を使用することで、介護現場のニーズに応えようとしています。

具体的には、「tsuzumi」は高い日本語処理能力を持ち、軽量なので少ない資源で運用可能です。この特長を生かし、機微な情報をセキュアに扱える環境が整えられました。

実証概要



今回の実証事業では、介護記録の作成プロセスに着目しました。介護記録とは、介護士が利用者の日々の状態を文書として残すもので、情報共有やサービス向上に寄与しますが、手作業での入力は非常に負担が大きいとされています。この介護事業所では、1人の利用者あたりの記録登録には平均して40分の時間を要していました。

そこで、介護士が音声で報告内容を入力する方法を採用しました。具体的にはノートパソコンを用いて音声入力し、その情報を「tsuzumi」により適切な形式に校正し、最終的な介護記録として仕分けを行いました。この新しい方法の導入により、介護士一人が1日に記録する際の時間が39分から17分へと大幅に短縮され、業務効率は56%向上しました。また、音声認識の正当率は78%という結果を収めました。

実証の役割分担



各機関の役割は次の通りです。
  • - 上越5e協議会:全体のコーディネートを実施。
  • - 株式会社丸互:実証に必要なハードウェアの提供と業務効率のデータ収集・分析を担当。
  • - NTT東日本:生成AI「tsuzumi」の提供と出力の正確性に対する情報収集と分析を行います。

今後の展望



丸互は、今後は市中の介護システムとのAPI連携を進め、商用化へ向けた取り組みを進めます。また、NTT東日本は誤認識を減少させるための分析と「tsuzumi」の性能向上に努め、最終的にはフリーハンドでの記録を可能にするスマートデバイス化を目指しています。

このような取り組みは、介護現場の人手不足解消だけでなく、介護サービス全体の質向上にも貢献することが期待されています。実証事業から得られた知見と成果をもとに、今後さらなる展開が期待されます。


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会社情報

会社名
東日本電信電話株式会社
住所
東京都新宿区西新宿3-19-2
電話番号

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