企業の受験方針を探る:CBT方式導入への期待と懸念
株式会社SEプラスが行った調査によると、2026年10月から2027年3月にかけて実施される情報処理技術者試験(応用情報技術者試験、高度試験)の受験方針に関して、企業の約8割が従来通りの計画を維持していることがわかりました。この試験は「現行制度最後の1回」であり、初めてのCBT(Computer Based Testing)方式で実施されます。これは、IT業界において重要なスキル指標であるため、企業はその対応を真剣に考えています。
調査の背景と目的
情報処理推進機構(IPA)が試験制度を再編することにより、長年親しまれてきた応用情報技術者試験と高度試験は、2027年度から新たな「プロフェッショナルデジタルスキル試験」等へ統合されることが決定しました。この歴史的な転換期において、企業の育成現場が現行試験にどのように向き合っているのかを把握するため、SEプラスは人事・教育担当者161社に対して意識調査を実施しました。
調査結果の要点
1.
企業の8割以上が「例年通り」の方針を維持
応用情報試験については83.2%、高度試験については80.1%の企業が「例年通り」を推奨しています。この結果は、これまでの育成計画を着実に進めている企業が多数派であることを示しています。
2.
CBT方式への歓迎の声
全体の91.3%がCBT方式移行を歓迎。一部の企業は、試験の実施が柔軟に行えることから、社員の受験利便性向上に期待を寄せています。
3.
社内試験対策の現状
77.6%の企業が「これまで通りの対策」で臨む一方、11.8%は新しい試験形式への準備に慎重な姿勢を示しています。
現行制度最後の受験への企業の思惑
多くの企業が「例年通り」とする理由は、育成スケジュールに基づいた運用が堅実であるからです。一方で、今回の試験を見送る企業は、新たな試験制度への早期シフトやCBT記述式への不安が背景にあります。現行制度の確実性を評価し、まだ不透明な新試験に挑むよりも、現行制度で確実にスキルを持つ人材を育成したいというニーズがあります。
CBT方式に対する考え方
CBT方式の導入については、大多数の企業が「歓迎」と回答していますが、受験者がPCで記述式問題に挑むことに対する不安も存在します。この対応は、IT人材育成における新たな課題を浮き彫りにしました。特に、タイピングスキルやPC環境への適応が重要であり、企業は育成方法を見直す必要に迫られています。
まとめ
調査結果からは、企業が転換期においても確実な育成を進める姿勢が浮き彫りになりました。ただし、CBT方式による新環境での対策ノウハウが不足しているため、企業は今後の取り組みにおいて自己の課題認識を強化していく必要があるでしょう。
SEプラスの山田マネージャーは、企業の方々に歴史的な転換期を乗り越え、次世代の人材育成に向けた効果的な対応を期待していると述べています。また、教育サービスを通じて企業のニーズに応え、IT業界のスキル向上に寄与することを目指しています。今後、試験環境が変化する中で、企業とともに進化していく姿勢が求められるでしょう。