岡山市中区に位置する夢二郷土美術館、その分館である夢二生家記念館・少年山荘が、2025年12月16日から2026年2月23日まで、冬の特別展示「つらつらつばきの花の糸」を開催します。この展示は、竹久夢二が描いた椿をテーマにしており、彼が育った故郷への思いが込められています。
展示の目玉は、かつて夢二の母が育った地域で見ることができた椿の花です。夢二の作品には、赤い椿と白い椿が美しく描かれています。「つらつらつばきの花の糸」というタイトルは、夢二が描いた童謡の歌詞から取られており、その愛らしさとともに、観覧者の心に温かな印象を与えます。
展示室内は蔵を改装した特別な場所に設けられており、雪合戦を楽しむ子供たちを描いた「雪だるま」、椿の模様が施された着物を身につけた女性が描かれた「満願の日」など、夢二の魅力を存分に引き出した作品が並びます。特に、2026年1月16日からは、同館で初めて公開される「春隣」という掛軸が展示される予定です。これは、一輪の椿を前にした美しい女性が描かれたもので、思わず息をのむ美しさです。
また、夢二が過ごした生家やアトリエである少年山荘では、彼の芸術活動に関する様々な作品を展示しています。特に、音楽やデザインに関連する作品、そして彼の遺品を通じて、夢二の人間味あふれる側面を紹介。来場者は、夢二が愛した音楽を聴きながら、その世界観を体感できます。
さらに、入館料は大人600円、中高大学生250円とお求めやすく、2023年の年末からは特別イベントも実施される予定です。12月20日には、先着30名様に夢二絵はがきがプレゼントされます。また、2026年1月2日から1月12日には「夢二のお正月」と題した催しも行われ、伝統の正月飾りや特別展示が訪問者を迎えます。
インタラクティブな体験コーナーも充実しており、夢二の魅力に直接触れることができる様々なアクティビティが用意されています。例えば、招福絵馬の絵付け体験や、夢二色でお手紙を書けるコーナーなど、日常の喧騒を忘れさせてくれるひと時をお楽しみいただけます。
夢二生家記念館は、1700年代に建てられた茅葺き屋根の家屋です。ここで過ごした夢二の思い出や、彼が描いた作品の数々が、訪れる人々に亡き母への愛情や地方文化の大切さを伝えようとしています。ぜひこの機会に岡山を訪れ、夢二の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
【展示概要】
- - 開催場所: 夢二生家記念館・少年山荘
- - 会期: 2025年12月16日(水)~2026年2月23日(月・祝)
- - 開館時間: 9:00~17:00(入館は16:30まで)
- - 休館日: 月曜日(祝日の場合は翌日)、12月26日~1月1日
- - 入館料: 大人600円、中高大250円、小学生200円
- - お問い合わせ: 夢二郷土美術館 Tel.0869-22-0622