2023年7月、ウクライナのイルピン市で日本からの支援により、30世帯の住まいが復興を果たしました。このプロジェクトは、全国賃貸管理ビジネス協会(以下、協会)とAPAMAN株式会社、さらに国際移住機関(国連IOM)との連携により実施されました。
ウクライナの住環境が深刻な影響を受けた背景には、ロシア軍による侵攻があります。激戦地であるこの地域は、多くの住民が避難を余儀なくされ、住居やインフラが壊滅的な状態に陥っていました。協会の副会長であるアパマンの大村浩二が4月に現地視察を行い、被害の様子を目の当たりにしました。
大村は、支援の必要性を改めて実感し、同年6月に50万ドルの寄付を決定。国連IOMが中心となり、住環境の整備が迅速に進められました。これにより、修復された住居には住人だけでなく、近隣住民も含め約390人が恩恵を受けることになりました。修復作業の成果として、さまざまな設備が整備され、住人たちは快適な新居に戻ることができました。
住環境が再生される中、住民の一人であるヴォロディミル・ルスクリツキーさんは、支援の重要性を感じていると語ります。彼は2022年2月に侵攻を受け、自宅を失って避難生活を送りました。その後、家に戻った際には、まったく手の施されていない状態だったといいます。しかし、IOMの支援がもたらした修復作業に感謝の意を示し、ウクライナと日本の友好関係を象徴する壁画の創作も進められました。
壁画は、協会とウクライナの住民の間の感謝の思いを込めたもので、地域の新たな象徴となっています。このような活動を通じて、協会は「安心」「安全」「快適」をモットーに、今後も社会貢献を続ける決意を示しています。
全国賃貸管理ビジネス協会は1991年に設立され、現在は2,000社以上の会員企業を有する日本最大級の賃貸管理会社ネットワークとして知られています。協会は業界の発展を目指し、新事業や新商品の開発、管理物件の研修事業を行っています。
ウクライナにおける今回のプロジェクトは、日本が国際的な復興支援の一端を担い、被災地域の住環境を一歩ずつ回復させる重要な取り組みとなりました。今後もこのような連携を通じて、世界中の困難を抱える地域の支援が進むことを期待しています。