スターバックスとみなかみ町、森林保全へ向けて協定を締結
2023年4月21日、群馬県みなかみ町とスターバックス コーヒー ジャパン株式会社は、持続可能な社会の実現を目指した「利根川源流から始める豊かな森林と人を育む連携協定」を締結しました。この協定の下、地域の森林資源や自然環境を活かした取組みを進め、気候変動や生物多様性といった社会的課題の解決に寄与していくことを目的としています。
日本の森林の現状と課題
日本は国土の約70%が森林で構成されていますが、近年、木材需要の低迷に伴い、実際にその森林が十分に活用されていない状況にあります。特に、かつては人々に利用されていた里山が現在では放置され、適切な手入れが行われていないため、間伐などが行われず、草木が育たないという問題が頻発しています。このような森林の荒廃は、生物多様性の低下や水源の涵養の不足、地球温暖化の加速といった影響をもたらし、結果的に私たちの生活にも悪影響を与えています。
みなかみ町とスターバックスの取り組み
みなかみ町は利根川の源流部に位置し、その恵まれた自然環境を持つ町です。その町でスターバックスが連携を結ぶことで、地域の森林資源を活用した持続可能なビジネスモデルを確立することが期待されています。具体的には、みなかみ町では自伐型林業を通じて地域の森林を整備し、その過程で得られた間伐材をスターバックスが店舗制作に活用します。
具体的な施策と期待される成果
この協定に基づく具体的な取り組みとして、間伐した木材を店舗の建材として活用することが挙げられます。適切に管理された森林からの間伐材を使用することで、森林資源の循環利用を促進し、環境負荷を軽減することを目指しています。また、間伐材の産地を可視化する取り組みも行い、消費者に対して木材の出所を明確にします。これにより、お客様は店舗で目にする木材がみなかみ町のどの森林から来たのかを知ることができ、森とのつながりを実感できます。
さらに、数年以内には間伐材を活用した店舗の第1号店のオープンを計画しており、1店舗あたりのCO2吸収量は約45トンと算出されています。このように、新店舗が開店するたびに地域の森林保全への貢献を増やしていくことが期待されています。
今後の展望
スターバックスとみなかみ町の協力関係は、今後さらに広がりを見せていくことでしょう。手入れが行き届かない森林から木材を調達し、持続可能な方法での店舗づくりを進めることで、地域の林業への貢献はもちろん、豊かな森林の維持にも寄与します。森と人とのつながりを深めることで、地域社会全体の環境意識が高まり、持続可能な未来を共に築いていくことが期待されます。