乳歯由来幹細胞の革新
2024-07-11 09:25:01

乳歯由来幹細胞培養上清液の精製成分が細胞活性と遊走能を向上させることを発見!未来の医療に革新をもたらす可能性

乳歯から生まれた革新的な技術:幹細胞移植の代替手段となる可能性



株式会社U-Factorは、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)との共同研究で、不死化したヒト乳歯由来幹細胞(SHED)から産生される培養上清液の精製成分が、細胞活性や細胞の遊走能を向上させ、抗酸化活性を保持することを発見しました。この発見は、幹細胞移植の代替手段として期待され、再生医療分野に新たな可能性をもたらすものとして注目されています。

なぜ乳歯由来幹細胞なのか?



乳歯由来幹細胞は、高い増殖能力と分化能力を持つことから、再生医療分野で注目されています。しかし、幹細胞移植には免疫拒絶反応や腫瘍形成のリスクが伴うという課題がありました。そこで、U-Factorは、幹細胞から生成される培養上清液に注目し、より安全で効果的な治療法の開発を目指しました。

不死化技術と培養上清液の精製



従来の培養上清液は、初代培養細胞を用いていたため、細胞増殖の限界や培養上清液の生成量、不純物の混入などの問題がありました。そこで、U-Factorは、不死化した乳歯由来歯髄幹細胞を用いることで、これらの課題を克服しました。不死化技術により、細胞は無限に増殖することが可能となり、安定した供給と高品質な培養上清液の生成を実現しました。

さらに、培養上清液の精製技術により、有効成分と考えられるサイトカイン類を豊富に含みながらも、アンモニアや乳酸などの不純物を除去することに成功しました。これにより、治療の安全性と効果が大幅に向上することが期待されます。

細胞活性、遊走能、抗酸化活性の向上



研究では、培養上清液の精製成分が、細胞の活性、遊走能、抗酸化活性を向上させる効果が確認されました。具体的には、細胞内脱水素酵素活性、スクラッチアッセイ、酸化ストレス実験などの試験で、精製成分が上清液原液と同等、あるいはそれ以上の効果を示すことが実証されました。

未来の医療への展望



U-Factorは、今後もこの技術をさらに発展させ、具体的な治療法の開発を進めていきます。さらなる再生医療分野での革新を追求し、患者さんの生活の質を向上させる新たな治療オプションを提供することを目指しています。

論文情報



雑誌名:Scientific Reports
論文公開日:2024年7月3日
論文タイトル:Activation of cellular antioxidative stress and migration activities by purified components from immortalized stem cells from human exfoliated deciduous teeth
著者:Yujing Shu, Masato Otake, Yasuhiro Seta, Keigo Hori, Akiko Kuramochi, Yoshio Ohba, Yuji Teramura
* DOI:10.1038/s41598-024-66213-8

乳歯由来幹細胞培養上清液の精製成分がもたらす可能性



今回の発見は、再生医療分野に新たな可能性をもたらす画期的な成果と言えるでしょう。乳歯由来幹細胞の培養上清液の精製成分は、安全で効果的な治療法の開発に貢献し、患者さんの生活の質向上に大きく貢献する可能性を秘めています。今後の研究の進展に期待したいところです。


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