Craif株式会社が食道がん早期発見の研究を発表!
Craif株式会社は、2024年に開催される第32回日本消化器関連学会週間(JDDW)において、国立がん研究センター東病院や東京都立多摩総合医療センターの村野医師らと共同で「食道がん早期発見を目指した尿中マイクロRNA診断パネルの開発」に関する研究成果を発表しました。この研究は、食道がん検診の新たな可能性を示唆しています。
研究の背景
食道がんは早期発見が求められるがんの一つであり、定期的な内視鏡検査が有効であるものの、その侵襲性や不快感から多くの人が検査を敬遠する現状があります。そこで、Craifは尿中マイクロRNAに注目し、非侵襲的かつ早期の食道がん検出方法を開発しました。
尿中マイクロRNA診断パネルの概要
非侵襲的検査方法の開発
Craifは、食道がんの患者と健康な対照者の尿からエクソソームを抽出し、次世代シークエンサーで尿中マイクロRNAを網羅的に解析しました。これにより、従来の方法に代わる新たなスクリーニング検査が実現しました。
機械学習を活用した識別性能の最適化
本研究では、機械学習を利用し、食道がん群と健康対照群を区別するための57種類のマイクロRNAパネルを構築しました。このマイクロRNAパネルに基づいた識別モデルは、5-foldクロスバリデーションを通じて高い性能評価を受け、特にAUC(曲線下面積)0.846という高い数値を達成しました。
早期ステージの検出可能性
また、検証コホートには早期の食道がん症例(Stage 0/I)が半数以上含まれており、これらに対する感度は非常に高いことが確認されました。尿中マイクロRNAを用いる方法が、早期食道がんの検出において有用であることを示しています。
将来的な展望
尿中マイクロRNAを基にしたセキュリティのあるスクリーニング検査は、特に高リスク群に対して有効です。飲酒や喫煙歴を持つ人々に対して、尿検査を用いることで早期発見率を向上させ、死亡率の低下に貢献できるまでの道を開いています。
研究の用語解説
- - マイクロRNA: 細胞内の小さな分子で、遺伝子の調節に関与します。がん細胞では変化が見られ、早期発見に役立ちます。
- - 機械学習: AI技術の一つで、データからパターンを学び、予測や分類を行う手法です。
- - AUC: 診断の正確さを示す指標。1に近いほど精度が高い。
JDDW 2024について
第32回日本消化器関連学会週間は、2024年10月31日から11月3日まで神戸コンベンションセンターで開催される予定です。
Craif株式会社の概要
Craifは、名古屋大学発のベンチャー企業として、2018年に設立されました。尿中のマイクロRNAを高精度で検出する技術「NANO IP®︎」を持ち、がんの早期発見や個別医療の実現を目指しています。今後も、新しいやり方で人々の健康と長寿を支えていきます。
公式ウェブサイトでの最新情報や詳細なプロジェクトについては、
Craif株式会社をご覧ください。