日鉄エンジニアリングが推進する先進的CCS事業
東京都品川区に本社を構える日鉄エンジニアリング株式会社は、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の取り組む先進的CCS事業において、基本設計業務を複数受注しました。この事業は、2030年度を目標にCO2の貯留を開始することを目指しています。
CCS事業とは
CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)とは、産業活動で発生する二酸化炭素を回収し、地中に貯留するプロセスを指します。気候変動対策として注目されており、カーボンニュートラル社会の実現に向けた重要な手段の一つです。日鉄エンジニアリングは、CO2の分離・回収、輸送、貯蔵、貯留など、CCSプロジェクトに必要な主要設備の技術とノウハウを保有しています。
基本設計業務の受注内容
日鉄エンジニアリングと子会社の日鉄パイプライン&エンジニアリング(NSPE)は、JOGMECによる公募制度で採択された9案件の中から、3案件の基本設計業務を受注しました。具体的には、日本製鉄、INPEX、三菱商事からの依頼に基づき合計8件の業務を遂行します。
受注した業務内容
1.
日本製鉄 - CO2分離回収設備検討業務、CO2液化・貯蔵・出荷設備検討業務
2.
INPEX - 海洋設備概念設計業務、昇圧設備のPre-FEED業務、パイプライン路線工事FEED業務、パイプラインステーション工事FEED業務
3.
三菱商事 - パイプラインルート選定に係るエンジニアリング業務
この受注により、日鉄グループはCO2の効率的な分離・回収技術「ESCAP®」を活かし、CCSバリューチェーン全体における最適化されたエンジニアリングサービスを提供します。特に、CCSの実施における複雑な課題に対処するために、新たに「CCS事業推進部」を設立しました。
今後の展望
日鉄グループは、CCS関連の事業展開を中長期的に数千億円規模に拡大することを目指しています。この取り組みを通じて、企業としての競争力を強化し、カーボンニュートラルな社会の実現に向けた取り組みをさらに進める方針です。
日鉄エンジニアリングは、エネルギー・海洋資源開発プロジェクトで培った豊富な経験と実績を活用し、持続可能な未来に貢献することを目指しています。これからの活動に期待が寄せられています。