AiRatoと東北大学、AIを活用した放射線治療の研究を開始

AiRatoと東北大学による新たな研究の幕開け

仙台市に本社を置くAiRato（アイラト）株式会社と東北大学大学院医学系研究科が共同で「放射線治療における頭頚部がんの腫瘍自動輪郭抽出」に関する研究を始めました。このプロジェクトは、2024年10月からスタートし、AI技術を駆使して医療画像データの分析に取り組むものです。

共同研究の背景と目的

放射線治療における頭頚部がんは非常に高い医療技術を必要とする分野であり、患者一人一人に対する正確な治療が求められます。この合作の目的は、CTやMR、PETなどの医療画像をマルチモーダルでAI解析し、腫瘍を自動で輪郭抽出できる技術を開発することです。この新しい技術は、将来的に放射線治療計画支援ソフトウェアとして社会に実装されることを目指しています。

研究内容の詳細

具体的には、東北大学病院で放射線治療を受けた頭頚部がん患者を対象として、膨大な医療画像データを収集し、それをAIが分析・解析するプロセスが行われます。特に、異なる種類の画像データを統合的に解析することで、腫瘍の正確な位置を把握しやすくなることが期待されています。これにより、治療精度が向上し、患者の身体的負担を軽減することが可能になるでしょう。

研究の特筆すべき点

AiRatoが独自に開発したAIは、過去の放射線画像データから学習しており、これに対して東北大学の臨床データと知見を組み合わせることで、より実用的な技術の開発が進むと期待されています。このコラボレーションは、日本国内でもトップレベルの研究環境を背景にしており、両者の長所を活かした先進的な研究が実施されることが示唆されています。

参加機関の紹介

東北大学

東北大学は、1907年の設立以来、「研究第一」「門戸開放」「実学尊重」の理念を掲げてきました。2024年には国際卓越研究大学に認定され、グローバルな視点を持った優秀な研究者の育成に注力しています。特に、医学系研究科では基礎から臨床にわたる幅広い分野の研究と高度な医療人材の育成を進めています。最近では、AIを活用した次世代の医療研究にも力を入れています。