サントリー美術館で開催「幕末土佐の天才絵師絵金」展の魅力とは

幕末土佐の天才絵師絵金展

2025年9月10日から11月3日まで、東京・六本木のサントリー美術館にて「幕末土佐の天才絵師絵金」展が開催されます。この展示は、土佐で生まれた絵師・金蔵（絵金）の作品を集めたもので、彼の優れた芸術性と文化的意義を再評価する絶好の機会です。

絵金とはどんな人物？

金蔵は1812年に高知で誕生し、幕末から明治初期にかけて数多くの芝居絵屏風を制作しました。彼は、地元の人々から「絵金さん」と親しまれ、芝居絵のジャンルで知られています。歌舞伎や浄瑠璃の物語を極彩色で描いた彼の作品は、同時代の他の芸術家と一線を画し、美しさと迫力に満ちています。彼の屏風は、夏祭りの際に飾られ、提灯の灯りでその色彩が際立つ様子は多くの人に感銘を与えてきました。

絵金の作品の特色

絵金が描いた芝居絵は、彼自身の独特なスタイルを反映しています。伝統的な日本画の技法を駆使しつつ、彼の作品はどこか浮世絵とは異なる新しい表現方法を模索しました。そのため彼の作品は、観る者に深い印象を残し、今もなお多くの人々に愛されています。また、1966年に雑誌『太陽』で特集が組まれたことにより、絵金は小説や舞台、映画の題材として多く取り上げられるようになり、彼の名は全国的に広まりました。

展覧会の見どころ

今回の展覧会は、高知県外で行われる絵金展としては約50年ぶりの大規模なものとなり、絵金の作品を多角的に楽しむことができます。絵金の屏風は多くが地元の神社や自治会に分蔵されており、集めて観る機会は非常に貴重です。サントリー美術館では、彼の画業を巡る特別展示が行われ、彼の残した足跡や影響力を深く探ることができるでしょう。