株式会社テンポスホールディングス、成長の軌跡
株式会社テンポスホールディングス(以下、テンポスHD)は、東京都大田区に本社を構える企業で、主に中古厨房機器の販売及び関連サービスを展開しています。最近、同社は株主手帳の「企業価値を高めた9社」に選ばれ、その成長が広く認識されています。特に、過去5年間において時価総額を297億円から501億円に増やしたことが評価されました。この5年間で約70%の成長を遂げたことで、業界内での地位も確固たるものとなっています。
ビジネスモデルの強み
テンポスHDは、物販事業、情報・サービス事業、飲食事業の3本柱で運営されています。物販事業では、全国で80店舗を展開する「テンポスバスターズ」や、オンラインショップ「テンポスドットコム」を通じて、厨房機器や業務用の調理器具を新品・中古ともに提供しています。顧客には、飲食店の新規開業者や経営者が中心です。
一方、情報・サービス事業では、単なる商品の提供に留まらず、経営者に対して人材紹介や販促支援、資金調達など、多岐にわたるサービスを提供しています。また、飲食事業では、実際にステーキ屋や回転寿司店などを経営し、その運営ノウハウを顧客に還元する取り組みも行っています。
ドクターテンポスバスの取り組み
テンポスHDでは、顧客のニーズにこたえるため、営業担当者が「ドクターテンポスバス」と呼ばれる手法を用いて、飲食店経営者の状況を正確に把握しています。売上や利益、人件費などのデータを分析し、その情報をもとに経営改善や新事業の開発を提案します。このようなサポートにより、顧客の経営状況を定期的にチェックし、継続的な関係構築を図っています。
新規店舗開発の方針
テンポスHDは、さらなる成長を目指して新規出店に注力しています。近年、特に人口10万人前後の小規模都市にも積極的に出店を進めており、2021年には60店舗から2025年には78店舗へとネットワークを拡大しました。新たに出店した滋賀県の近江八幡市や鳥取県の米子市では、オープン翌月から黒字を達成するなど、経営の手応えを感じています。
今後の展望
テンポスHDは、300店舗のネットワーク拡大を目指し、小規模都市への進出を進める計画です。また、マーケティングの強化やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の一環として、飲食店向けの支援システムやノウハウを一層ブラッシュアップしていく方針です。今後も飲食業界の変化に対応し、さらなる成長を遂げる企業として注目されることでしょう。
会社概要
テンポスホールディングスは1997年に設立され、資本金は約4億9,900万円、現在の従業員数は4,675名(パート含む)です。今後の業績予想としては、2026年4月期で577億円の売上高を見込んでおり、順調に成長を続けています。