日立製作所が2050年の量子コンピュータ実現に向けた新プロジェクトを発表

日立製作所が新たな量子コンピュータ開発プロジェクトに参入



株式会社日立製作所(以下、日立)は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が推進するムーンショット型研究開発事業、特にその目標6において、2050年までに経済や産業、安全保障分野の飛躍的な発展を目指す誤り耐性型汎用量子コンピュータの実現に向けた新たな研究開発プロジェクトに参加することを発表しました。

このプロジェクトは2026年度から2030年度の期間にわたり、誤り耐性シリコン量子コンピュータの技術開発や、中性原子型量子コンピュータのシステム性能評価など多岐にわたる取り組みが含まれています。日立は、これらのプロジェクトを通じて、量子コンピュータ技術の進化と実社会への応用を実現することを目指しています。

二つのプロジェクトの概要と役割



日立が参画するプロジェクトの一つ目は、理化学研究所と共同で展開される「誤り耐性シリコン量子コンピュータの技術開発」です。このプロジェクトでは、2028年度までに100量子ビット、2030年度までに1,000量子ビット規模の誤り耐性量子ビットデバイスの開発を目指します。日立はこのプロジェクトの中で、デバイスの設計や試作、システムインテグレーションに関する技術開発を担当し、その成果を社会実装に繋げることを目指します。

二つ目のプロジェクトでは、中性原子型量子コンピュータに関する取り組みが行われています。具体的には、分子科学研究所が開発する中性原子型量子コンピュータを基に、システム性能評価ソフトウェアの開発に注力し、実機の設計や運用方針の検討を行います。このプロジェクトの成果は、前述のシリコン量子コンピュータプロジェクトにもフィードバックされ、両プロジェクトで得られた知見を横断的に活用することが期待されています。

日立のビジョンと実現への道



日立製作所の研究開発グループ技師長である水野弘之氏は、量子コンピュータの社会実装に向けた重要性を強調しています。「日立は、より複雑な社会課題の解決と新たな価値創出を目指す『NEXT』領域の一環としてシリコン量子コンピュータの研究開発を推進しており、2027年度にはその実験環境をクラウドで公開することを目指しています」と述べています。

最近のデータ利用の高まりに伴い、高度なコンピューティング能力が競争力を左右する要素となっています。この流れを踏まえ、日立は量子コンピュータを実用化するため、誤り耐性型量子コンピュータの実現に取り組んでいます。具体的には、2020年度からの前半5年間の研究に引き続き、後半5年間にも継続して参加することで、量子コンピュータの社会実装を着実に進めていく方針です。

大規模化を見据えた研究開発が必須とされる中、日立は半導体技術やシステム構築に関するノウハウを最大限に活用し、特にシリコン量子コンピュータと中性原子型量子コンピュータの二つのプロジェクトに取り組むことで、誤り耐性型量子コンピュータの実現を加速させていきます。

日立製作所がもたらす未来の展望



日立製作所はIT、OT、プロダクト技術を駆使し、社会の持続可能な成長を目指す社会イノベーション事業(SIB)を展開しています。この事業を通じて、環境、経済成長、幸福の調和を図るハーモナイズドソサエティの実現に貢献しています。2024年度の売上収益は9兆7,833億円を見込んでおり、約28万人のグローバルな従業員を抱えています。

量子コンピュータの進化と社会実装が進む中、日立製作所が果たす役割に注目が集まります。量子コンピュータが社会の様々な場面で活用され、新たな価値が創出される未来が待ち遠しいですね。

会社情報

会社名
株式会社 日立製作所
住所
東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
電話番号
03-3258-1111

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