訪日観光客向け災害情報提供サービスが新たに始動
2024年10月17日、インタセクト・コミュニケーションズ株式会社は、アニバーサリーコンシェル株式会社と業務提携を結び、訪日外国人に向けた防災情報提供サービスを開始することを発表しました。この新しいサービスは、日本国内の様々な観光地を訪れる外国人観光客の安全を確保することを目的としています。
観光庁による最新の宿泊旅行統計によれば、2024年8月の外国人宿泊者数は前年同月比で20.9%も増加し、今後の日本への訪問者数がますます期待されています。しかし、観光客の増加に伴い、オーバーツーリズムやマナーの問題など、新たな課題も顕在化しています。さらには、地震や台風などの自然災害も頻繁に発生しており、訪日観光客が安心して観光を楽しむ環境を整えることが重要となっています。
今回の取り組みは、訪日客が万が一の災害時にどのように情報を収集するかに基づいたものです。インタセクトが実施した「訪日中国人の安全安心に関する意識調査」では、多くの回答者が日本において自然災害が多くなったと感じていることが明らかになりました。具体的には、災害時の情報収集方法として、政府観光局の公式WEBサイトを利用する人が最も多く、次いでスマートフォンアプリやSNSを通じた情報収集が挙げられています。
新たに開始する「デジ町防災LINE」は、自治体や企業、観光施設などが利用できるLINE公式アカウントを使った防災機能を提供します。避難場所の検索や避難経路の案内、安否発信など、緊急時に必要な情報を日本国内外の観光客に提供することで、全ての利用者が安心して観光を楽しめる環境を整えます。
現在「デジ町防災LINE」は日本国内向けにサービスを提供していますが、今回の業務提携を契機に訪日観光客向けの外国語対応も強化されます。具体的には、中国本土向けにはWechatミニプログラム、その他の市場向けにはHTML5を想定してサービスを拡大します。これにより、日本の観光地が外国人観光客に対してもより使いやすい情報提供ができるようになります。
インタセクトの譚玉峰社長は、今後の展望として、観光客が不安なく訪れることができる環境を整備することが必要だと強調します。訪日外国人が日本を訪れる際、安心して観光を楽しめるよう力を入れていくと述べました。
この取り組みは日本国内だけでなく、訪日外国人にとっても重要な意味を持つもので、特に今後の観光立国日本の発展に向けての鍵となるでしょう。新たな防災情報提供サービスの導入は、訪日観光客に対して日本の安全性をアピールし、より多くの海外旅行者を呼び寄せる一助となると期待されています。今後も両社の取り組みがどう進展していくのか、注目です。