福島県南相馬市は、2025年2月からオンライン施設予約システムとスマートロックを組み合わせた新しい取組を開始します。この実証実験は、構造計画研究所と市が協力するもので、公共施設の管理を効率化し、地域住民の利便性を向上させることを目的としています。実験の一環として導入されるのは、オンラインで予約ができる「まちかぎリモート」と、暗証番号式のスマートロック「RemoteLOCK」です。これにより、簡単に予約ができるだけでなく、鍵の管理も効率的に行うことが可能になります。
近年、南相馬市は「南相馬市DX推進ビジョン」を策定し、デジタル技術を活用した行政サービスの向上に取り組んでいます。その中で、職員の業務効率化を目指し、さまざまな改革を進めています。具体的には、行政手続きのオンライン化や、書類を必要としない窓口サービスの導入が挙げられます。今回の実証実験はその一環として、学校施設の開放における業務の効率化を図るものです。
実証実験の対象となるのは、原町第二中学校と石神中学校の体育館です。従来、利用団体は教育委員会を介して予約を行っていましたが、新システムの導入により、オンラインで施設の空き状況を確認し、予約ができるようになります。また、スマートロックが設置された施設では、予約時に発行される暗証番号を使って簡単に鍵を受け取ることができ、施設側の管理業務もクラウド上で一元化されます。
この実証実験の実施期間は2025年2月から6月までの予定であり、期間中は構造計画研究所が無償でシステムを提供します。利用者にとって、オンラインでの予約や鍵の受け取りが可能になることで、公共施設の利用がさらに便利になることが期待されています。
RemoteLOCKは、米国のRemoteLock社が開発した製品で、日本国内では構造計画研究所が提供しています。このシステムは、Wi-Fi接続型の電子錠による鍵管理が可能で、年齢を問わず利用することができるため、地域の方々にとって非常に利便性が高いものです。また、施設のセキュリティを確保しつつ、省力化を実現することができるため、宿泊施設や店舗でも高い評価を得ています。
「まちかぎリモート」は公共施設のスマート管理を促進するためのシステムで、予約から支払い、鍵の受け渡しまでワンストップで行えるのが特徴です。これらの技術を活用することで、住民にとって利用しやすく、安全な公共施設の運営が実現できることでしょう。
南相馬市は、今後もICT技術を駆使して公共施設などの管理をスマート化し、地域住民の利益に貢献する取り組みを続けていくとのことです。この新しいシステムによって、南相馬市は地域の魅力ある住みやすい街づくりにさらにみなさんを導くことが期待されています。