次世代型ダイヤモンド半導体の研究に始動した佐賀大学とJVCケンウッドの共同プロジェクト
国立大学法人佐賀大学と株式会社JVCケンウッドは、ダイヤモンド半導体の社会実装に向けた共同研究をスタートさせました。この取り組みは、次世代の高周波パワー半導体として期待されるダイヤモンド半導体の技術的な発展を目指しており、マイクロ波通信や量子コンピュータなどの分野での応用が見込まれています。
ダイヤモンド半導体とは?
ダイヤモンド半導体は、現在主流のシリコン半導体に対して約5倍のバンドギャップエネルギーを持つことから、その実用化が進めば、約50,000倍の高出力電力を持つパワー半導体に生まれ変わる可能性があります。加えて、宇宙通信や量子コンピュータの記憶素子への応用も研究されています。このように、ダイヤモンド半導体は次世代の技術革新を支える重要な要素として利活用されつつあります。
共同研究の背景
佐賀大学はダイヤモンド半導体に関する最前線の研究を行っており、特に独自のドーピング技術を持つことが強みです。これに対し、JVCケンウッドは未来のInnovationを視野に入れた研究開発を進めており、2021年には未来創造研究所を設立しました。これにより、無線通信機器やオールフォトニクスへ向けたデバイス研究が進められています。両者の強みを融合させることで、社会課題の解決を目指すことが可能になります。
今後の展望
今後、佐賀大学はJVCケンウッドからの支援を受けてダイヤモンド半導体の研究を加速させ、同時にマイクロ波帯およびミリ波帯の通信半導体に関する技術情報を提供します。JVCケンウッドは「持続可能なものづくり」を掲げ、未来を見据えた研究・技術開発の推進に努めていく意向です。これにより、ダイヤモンド半導体がもたらす可能性はさらに広がります。
研究責任者のコメント
このプログラムの研究責任者である佐賀大学の嘉数誠教授は、ダイヤモンド半導体の研究が持つ重要性と、それがもたらす未来の技術への期待感を示しています。「この研究が進むことで、次世代のテクノロジーが現実のものとなります。多くの可能性が開かれるでしょう」と語ります。
まとめ
佐賀大学とJVCケンウッドの共同研究は、ダイヤモンド半導体の実用化に向けた新たな一歩です。この取り組みが成功すれば、私たちの生活や社会に革新をもたらすことが期待されます。将来のデジタル社会を実現するための重要な一環として、今後の進展に注目が集まります。