KRAFTON、2025年上半期に過去最高の売上高を記録

KRAFTONが2025年上半期の売上高で過去最高を更新

韓国のゲーム開発会社KRAFTON、Inc.が2025年の上半期において、過去最高となる売上高1兆5,362億ウォンを達成したことを発表しました。この結果は、K-IFRSに基づく連結財務諸表によるもので、営業利益も7,033億ウォンを記録し、昨年同期比でそれぞれ11.9%と9.5%の増加となりました。

2025年上半期の業績

KRAFTONの上半期の売上は、PCゲームが5,432億ウォン、モバイルゲームが9,600億ウォン、そしてコンソールやその他のゲームが330億ウォンという内訳でした。特に、PCプラットフォームでは「PUBG: BATTLEGROUNDS IP」が堅調な成長を見せ、4月には大規模なアップデートを実施したことが成功に寄与しています。

モバイルプラットフォームにおいては、『PUBGM』がレベルアップ可能な衣装スキン「X-Suit」を導入し、多くのプレイヤーから支持を受けています。また、インド市場での戦略としては、現地企業とのコラボレーションやユーザーカスタマイズ型のマーケティングコンテンツを展開するなどの取り組みが功を奏しているようです。

下半期の展望と新たな挑戦

KRAFTONは下半期に入ると、フランスの高級車ブランド「Bugatti」とのコラボレーションや、K-POPアーティスト「aespa」とのコラボイベントを計画しています。この取り組みは、プレイヤー体験の向上を図ると同時に、ゲームの世界観をさらに広げることを目的としています。

また、ドイツで開催されるゲームイベント「gamescom」では、新たに開発中のトップダウン型タクティカルシューティングゲーム『PUBG: BLINDSPOT』が披露される予定です。さらに、エクストラクションシューター『Project Black Budget』は、下半期にクローズドテストを予定しており、注目が集まっています。

新規タイトル開発と戦略的投資

KRAFTONは新規タイトルの開発への投資を強化しており、特に「ビッグフランチャイズIPの確保」を目指す5カ年計画を掲げ、ゲームプロジェクトを13件立ち上げています。これにより、自社の制作人材および開発チームを拡充し、ジャンルや地域を超えた新しいタイトル開発へとつなげていく狙いがあります。

また、KRAFTONはパブリッシング領域でも重要な役割を担っており、最近では新しい車両アクションゲーム『Rivals Hover League』の体験版を配信しました。さらに、早期アクセス版の『inZOI』についても、プレイヤーコミュニティからのフィードバックを活かし、長期的なサービス体制を構築する方針を掲げています。

AIイノベーションと未来戦略

最近KRAFTONはAIイノベーションへの投資を進めており、特に大規模言語モデル(LLM)を基盤とするAIエージェントのゲーム遂行能力の向上に向けたベンチマーク「Orak」を公開しました。この技術はゲーム関連の推論パフォーマンスを向上させるべく、SK Telecom社との共同開発により推進されています。

KRAFTONは周辺産業への投資も拡大しており、今年4月に韓国のゲーム開発会社Neptune Companyの筆頭株主となり、さらに日本のADKグループへの戦略的投資も行っています。これにより、市場における認知度や影響力をさらに高めている状況です。