企業の年賀状じまい進化、半数以上がコスト削減へシフトする背景

企業の年賀状じまい進化の背景

近年、年賀状を送付する企業の姿勢に顕著な変化が起きています。株式会社帝国データバンクが実施したアンケート調査によると、全体の58.1%の企業がすでに年賀状の送付をやめており、2026年分の年賀状を送る企業はついに30%未満となる見込みです。この「年賀状じまい」は、送付コストや手間の削減を目的とした流れの一環として、多くの企業に広がりを見せています。

年賀状じまいの現状

調査によると、年賀状を送るのをやめた企業の内訳は以下の通りです。

- 2023年以前に送ることをやめた: 22.0%
- 2024年からやめた: 15.4%
- 2025年からやめた: 10.4%
- 2026年からやめる予定: 10.3%

この結果から、2026年分の年賀状を送付する企業の割合は29.1%に留まることが明らかになりました。年賀状を送らない企業が年々増加している背景には、コスト削減や業界の風潮の変化があるようです。

企業の意識の変化

「年賀状じまい」を選択する企業の動機は様々です。他社の状況や業務の状況を考慮し、送付を中止する企業が増加しています。たとえば、昔ながらの年賀状文化は形骸化していると感じる企業も多く、重要な業務ツールとは言えない気配が強まっています。加えて、郵便料金の値上がりも影響し、年賀状がビジネスコストとなる一因となっています。

代わりに企業は、カレンダーやクリスマスカードを用いた新しい年末年始の挨拶の手法を模索しています。これにより、年賀状とは異なる形でのコミュニケーションを試みている企業も多いです。

年賀状を続ける企業の立場

一方で、年賀状を送ることを続ける企業も存在します。『年賀状をやめない』と答えた企業は29.0%おり、再開する企業はわずか0.1%でした。年賀状を送り続けることの利点として、年に一度のあいさつの場を通じて関係構築ができるという意見もあります。特に取引先の記憶に留まるため、企業の営業活動において意味があると考えられています。

デジタル化の進行

さらに、年賀状のデジタル化も進んでいます。多くの企業がSNSやメールを使った新年の挨拶を採用し始めており、これにより手間を大幅に削減しています。デジタル年賀状の選択肢は、環境への配慮や効率性を高める手段としてますます支持されている印象です。

今後の展望

今後も「年賀状じまい」は増えていくと予想されますが、一部の企業は伝統的な年賀状に固執し、従来の方法で取引先とのつながりを維持する可能性もあります。このように、年賀状の扱いは企業ごとに異なりながら、それぞれの事情やニーズに応じた新たな選択肢が模索されています。

2027年から年賀状をやめるという考えを持つ企業も登場しており、今後の企業コミュニケーションのスタイルに注目が集まります。年賀状文化が廃れつつある現代において、それをどう位置付けるのか、企業側の戦略が問われる時代が続きます。