がん研究の最前線
2025-04-30 17:49:23

CancerFree Biotechががん研究の未来を切り拓く最新技術を発表

CancerFree Biotechが米国がん学会で発表した最新技術



2025年の米国がん研究協会(AACR)の年次総会がシカゴで盛況のうちに開催され、世界中の最先端がん研究成果が集結しました。この場で台湾のCancerFree Biotechが発表した内容が注目を集めています。特に、同社は循環腫瘍細胞(CTC)と人工知能(AI)を組み合わせた新技術によって、がん治療に革新をもたらすことが期待されています。

CancerFree Biotechは、独自のリキッドバイオプシー培養プラットフォームが持つ技術的優位性をアピールしました。がんの研究においては、特に難治性のものでは検体採取が大きな障壁となりますが、この新しいプラットフォームは液体検体の利用を最大限に生かし、遺伝子検査とCTC薬剤感受性分析を組み合わせることで、臨床に即した体外腫瘍モデルの構築に成功しました。

さらに、この研究では高腫瘍突然変異負荷(TMB)を持つ脳腫瘍患者の腫瘍細胞が、特定の天然薬物(例:牛樟芝エキス)によってどのような反応を示すかを探る過程で、がんの悪性化に関連する遺伝子変異メカニズムの解明に至りました。このような高精度な腫瘍環境の再現は、創薬プロセスにおいて非常に重要な役割を果たします。

CTCとAIの連携による革新



CancerFree Biotechの技術の核とも言えるCTCは、臨床腫瘍環境を高い精度で再現します。これにより、従来の細胞株や動物モデルとの乖離を解消し、実際の臨床症例に近い形での研究が可能となるのです。また、新薬開発においても、前臨床段階での高精度検証が可能であり、創薬チームは実際の腫瘍細胞の反応を詳細に解析することで新たな治療標的を特定し、難治性腫瘍領域における成果を上げることが期待されています。

同社は、AI応用技術にも注力しています。発表された別のポスターでは、AI画像分割技術を用いたCTC培養の定量化やリアルタイムモニタリング、結果予測に関する研究が披露されました。特に、優れた追跡能力と精度を備えたSAM2を活用することで、培養プロセスの包括的な監視が可能になり、潜在的な失敗リスクを事前に警告することができます。

精密医療への道



これらの技術は、患者の待機時間を短縮し、再検体採取の必要を減少させ、個別化治療計画の迅速化に寄与することになります。CancerFree Biotechは、今後もモデルのトレーニング手法や画像分割フレームワークの臨床プロセスへの統合を進め、精密腫瘍学の発展を加速させる方針です。

CEOの陳柏翰(Po Chen)氏は、「我々はCTC技術を中核に、臨床現場に即したがん研究プラットフォームの構築に注力しています。AI技術を活用することで、臨床データの応用効率を向上させ、治療効果の早期予測や新薬開発のスピードアップを実現していきます」と語っており、今後の展開に期待がかかります。


画像1

画像2

会社情報

会社名
CancerFree Biotech Ltd.
住所
Taipei City, Neihu Dist., Ruiguang Rd.,Ln. 258, No. 56, 3F. -2
電話番号

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。