JFE商事エレクトロニクスが溶剤リサイクル事業を展開
JFE商事エレクトロニクス株式会社(以下、J商エレ)は、タイのUnion Petrochemical Public Co.,Ltd.(UKEM社)および豊田化学工業株式会社と共同で、タイのゲートウェイシティ工業団地に溶剤リサイクル工場「UTJ Glean Solutions (Thailand) Co.,Ltd.」を設立しました。この合弁事業は、環境に配慮したリサイクル推進として注目されています。
設立の背景
世界的にカーボンニュートラルが重要視される中、タイでは「バイオ・循環型・グリーン(BCG)経済モデル」が国家の戦略の一環として位置付けられています。しかし現在、タイにおける溶剤リサイクル率は依然として3%未満(UKEM社調べ)であり、さらなる進展が期待されています。こうした状況を踏まえ、UKEM社が強力なリーダーシップを発揮し、J商エレを通じて豊田化学工業の高品質なリサイクル技術に注目。今回の合弁設立へと進展しました。
溶剤リサイクル事業の仕組み
UTJでは、工場から排出された使用済み溶剤を回収し、高い品質基準を満たすリサイクル溶剤を生産します。これにより、低価格で手に入る高品質のリサイクル溶剤を市場に提供できることになるのです。
ゲートウェイシティ工業団地に新設される工場は、以下のような特徴を持っています。
高効率なリサイクル技術
リサイクルプロセスには最新の蒸留技術が用いられ、豊田化学工業からの支援を受けています。この技術により、従来の蒸留工程で必要とされる時間を約半分に短縮。これによって、年間1万トン以上の溶剤のリサイクルができる見込みです。
環境への配慮
一般的に廃液は産業廃棄物として焼却処分されますが、UTJではリサイクルを通じてCO2の排出を大幅に削減することが期待されています。具体的には、年間1万トンのCO2を削減できる見込みです。このような取り組みが、環境への貢献につながります。
UTJのブランディング
UTJとは、カンパニー名の頭文字を取ったものであり、さらに「タイと日本の協力」をイメージしています。また、「Glean」は「グリーン」と「クリーン」を結びつけた造語で、環境への貢献の意思を表しています。このように、循環型社会の実現に向けた強いコミットメントがあります。
今後の展望
J商エレ、UKEM社、豊田化学工業の3社はそれぞれの得意分野を活かしながら、高品質なリサイクル溶剤の安定供給を目指します。さらに、リサイクルのノウハウを蓄積し、将来的にはベトナムやインドネシア、インド市場への進出も視野に入れています。このように、企業間の強い協力体制のもとで、タイ国内にとどまらない広がりを期待しています。
この新たな事業は、環境負荷を低減し、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとなるでしょう。JFE商事エレクトロニクスの取り組みに注目が集まります。