三幸エステート株式会社が発表した最新のオフィスマーケットレポートによると、2025年3月末時点での東京都心5区と全国6大都市におけるオフィス空室率は、前月からほぼ変わらない状況にあることが分かりました。
オフィス空室率の現状
東京都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)の大規模ビルの空室率は、前月比でわずかに減少し3.55%となりました。この数値は、テナントが新たに竣工した新築ビルに移転した結果、いくつかの既存ビルでの二次空室が増えたことに起因しています。しかし、大口テナントの新規成約や新築ビルの高い稼働率により、全体として空室率は安定した動きを見せています。さらに、潜在空室率は前月比で0.28ポイント下がり、5.31%となり、さらなる改善の兆しが見えています。
募集賃料のトレンド
東京都心におけるオフィスの募集賃料も前月から小幅に上昇しており、この上昇は16ヶ月連続で続いています。特に需要が高いエリアでは、賃料の引き上げが進行中ですが、湾岸エリアにおいてはテナントの誘致が長引くため、賃貸条件が緩和されています。このように、賃料相場には二極化現象が見られます。
オフィス需要の動向
直近の吸収需要(ネット・アブソープション)は、2025年第1四半期に約12万坪に達し、これは2018年第3四半期以来の高水準です。そのため、需要が供給を上回る状況が続いており、これによりオフィス市場は依然として活況を呈しています。特に、交通の利便性の高い新築ビルは竣工前にテナントの内定が進み、需要の強さを物語っています。
まとめ
三幸エステートは、2025年の新規供給を約17万坪と見込んでいますが、そのうちの約10万坪は第1四半期に竣工しました。これに対する需要は引き続き強い動きを見せているため、今後もオフィスマーケットにおける動向から目が離せません。オフィスを取り巻く状況は変化が激しく、企業のダイナミックな戦略が求められています。
このようなマーケットデータは、オフィス戦略を考える上で非常に重要な要素となります。新たなオフィスの選定や賃貸条件の見直しを行う企業にとって、これらの情報が参考となることでしょう。
このレポートの詳細やその他の情報は、三幸エステートの公式ウェブサイト(https://www.sanko-e.co.jp/data)で確認できます。