東京ガスがビルオートメーションシステム事業を強化
東京ガス株式会社は、業務用ビル向けの中央監視システム、すなわちビルオートメーションシステム(BAS)の事業拡大に向けて、計装工事会社である株式会社トラストエンジを完全子会社化しました。この戦略的な動きにより、東京ガスはより高度な技術とサービスを提供できるようになります。
バックグラウンド
東京ガスは、現場業務の効率化を進めるためのソフトウェア「Joyシリーズ」を開発し、さまざまな業種の顧客による生産性向上に寄与してきました。今回、子会社化されたトラストエンジは、BASの設計、導入、保守を手掛ける企業であり、同社の技術力とノウハウを利用して、効果的なビル管理を実現してきました。
トラストエンジはJoyシリーズを基に、高い柔軟性と低コストを実現するオープンシステムを提供しており、特定のメーカーに依存しない運用が可能です。このシステムの導入により、顧客はそれぞれのニーズに応じた最適な管理が行えるようになります。
ワンストップサービスの提供へ
今回の子会社化により、東京ガスは顧客との接点を活用し、Joyシリーズのソフトウェア開発からBASの導入、保守までを一貫して提供することが可能になります。これにより、顧客へのサービスを一層充実させ、多くのビルの管理を支援する体制が整います。東京ガスは新たに、Joyシリーズを活用したBASを、「IGNITURE」というブランド名で展開することを発表しました。
Joyシリーズの特徴
「Joyシリーズ」は、ノーコードで監視システムを構築できる「JoyWatcherSuite」や、現場帳票のペーパーレス化を支援する「JoyCoMES Re」、生産計画システムを提供する「JoyScheduler」、さらにはクラウド型でデータを遠隔監視する「JoySmartView」など、幅広い製品で構成されています。このように、多様なニーズに応える製品群は、工場やビル、再生可能エネルギー施設など、さまざまな業種の顧客に利用されています。
「JoyWatcherSuite」は特に、国内販売数1位に輝くSCADAソフトウェアであり、その総ライセンス数は約36,000に達しています。これにより、顧客が効率的に設備の監視および管理を行えるようサポートしています。
IGNITUREブランドの意義
今回の子会社化によって、東京ガスは「IGNITURE」というソリューション事業ブランドを立ち上げました。このブランドのもとで展開されるソリューションは、家庭や企業、地域コミュニティの顧客に対し、経済性や利便性、効率性を向上させ、持続可能な生活や事業の実現を目指しています。脱炭素やレジリエンスの強化など、現代の課題に応えるサービスを提供することが期待されています。
まとめ
東京ガスの新たな一歩として、トラストエンジの子会社化は、BAS事業の強化を通じて、より顧客のニーズに応えるサービスの提供につながります。今後の展開に注目し、顧客が求める快適で効率的なビル管理を実現していくことに期待が高まります。