MUFGの新たな挑戦『Spark X』
株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(略称MUFG)が推進する新規事業創出プログラム『Spark X』が、いよいよ第2章に突入します。このプログラムは、4年間で1,300件以上の事業アイデアを生み出し、いくつもの事業化案件を実現してきました。今回の改編は、ますます進化するビジネス環境の中で、MUFGが持つカルチャー自体を革新し、顧客や社会の課題解決に寄与することを目指しています。
なぜプログラムの見直しが必要なのか?
『Spark X』は2022年にスタートし、さまざまな社員が挑戦する機会を提供してきましたが、その一方で運営側は「社員の熱意が一巡している」という壁に直面しています。これまでのアプローチは、特定の熱心な社員に焦点を当てる「点」の挑戦が主流でしたが、MUFGのような大企業で新規事業を継続的に生み出すためには、新たな仕組みやサポートが 求められます。
そこで事務局は、社員の挑戦意欲を最大限に引き出すため、「挑戦のハードルを下げ、関係人口を増やす」重要性に着目し、運営体制そのものをプロダクトとして捉え直しました。こうして、一時的なイベントではなく、持続的に事業が生まれる土壌を育むため、既存のシステムの再構築に取り掛かることが決定されたのです。
新たな制度の意義
2025年度から『Spark X』に参加するためのハードルを下げるため、以下の新制度が導入されました。
1. サポーター制度
これまでのプログラムは、自らアイデアを提案する「プレイヤー」とそれを観る「観客」の二択でしたが、多くの社員が「専門スキルで誰かを支えたい」「挑戦には自信がないが応援したい」という気持ちを抱えていることが明らかになりました。そこで新設された「サポーター制度」により、全社員がエントリー可能となる制度を導入しました。この制度の下で、社員は自身のスキルを登録し、アイデアを提案するチームへのアドバイスを行う「ティーチャー」や、インタビュー、アンケートに協力する「インタビュイー」として参画可能となります。
2. シード権の付与
新規事業提案には成功と失敗がつきものですが、一度失敗したからといって再びゼロからスタートしなければならないプレッシャーは、挑戦者にとって大きな負担です。そこで「シード権」を導入し、ファイナリストや惜しくも選考に漏れたチームには翌年の選考ステップの一部が免除され、これにより挑戦の機会を持ち続けることが可能になります。
3. Future枠の強化
2024年度から20代のリーダーを対象とする「Future枠」を強化し、若手の柔軟な発想や行動力を生かす施策も進めています。具体的には、エントリーシート作成時に生成AI活用のワークショップを開催し、挑戦の障壁を取り除く手助けを行っています。
新事務局の新たな覚悟
この改革を先導するのは、従来の「管理部門」としての事務局ではありません。多くのメンバーが過去に『Spark X』に参加し、様々な挫折や成功を経験した者たちです。彼らはかつて自分たちが求めていたシステムを作り上げ、参加者の気持ちを深く理解しながら、現場の声を反映した制度設計に取り組んでいます。
未来への道筋
2025年度の『Spark X』は、改革の始まりにすぎません。より本質的な事業開発の質を高め、参加者を広く巻き込むためのプログラムの再構築が進められています。MUFGの目的は「世界が進むチカラになる」こと。このビジョンを実現するため、全社員の意志を表現し、挑戦することが奨励されるカルチャーの醸成が進むのです。新たに開幕した『Spark X』の第2章に、これからも目が離せません!