トルコ・シャンルウルファで悠久の旅を体験する秋の遺跡巡り

トルコの南東部に位置するシャンルウルファは、私たちの知識の扉を開く重要な歴史的都市の一つです。遺跡巡りに最適な季節、秋に訪れることで、ここに隠された人類史の深い謎に迫ることができます。市内各地で行われる考古学的調査は、次々と新たな発見をもたらし、私たちの理解を広げています。

新たな発掘、カラハンテペの魅力

特に注目されるのが「タシュテペレル」として知られるエリアにあるカラハンテペです。ここでは、世界初の人の顔が彫られたT字型石柱が出土し、当時の芸術や精神的な文化の理解を大きく進めるきっかけとなっています。最近発見されたこのT字型石柱には、くっきりとした輪郭と深い眼窩、堂々した鼻梁が特徴的で、この発見は考古学史にも新たな光を当てています。

ギョベクリテペとその周辺で既に確認されていたT字型石柱が「人間の姿」を象徴していたことを裏付けた中、カラハンテペの新発見はその解釈に革新をもたらしました。

最古の物語が語る新石器時代

今年発見されたもう一つの注目すべき遺物は、封印された赤土の中から現れた神話的造形物です。これらは精緻に並べられたことから、当時の人々がいかにして“物語を立体で語る”文化を持っていたかを示しています。この発見は、考古学者たちによって「新石器時代最大の発見」と称されています。

ギョベクリテペ - I人類史の扉

シャンルウルファには、ユネスコ世界遺産のギョベクリテペもあります。この遺跡は巨大なT字型石柱群が並んでおり、そこでは人類の宗教的儀式が行われていたとされています。出土した実物大の野生のイノシシ像や人像は、見る者を圧倒する存在感を放ちます。この地に立つことで、1万年前の人々と同じ空気を感じながら、彼らの足跡を辿ることができます。

ギョベクリテペは、年初から8か月で497,394人もの来訪者を迎えトルコで最も人気のある考古学的聖地となっています。そこには、過去の人々の営みを肌で感じさせる力があります。

シャンルウルファの文化とグルメ

遺跡巡りの最後に訪れたいのが、シャンルウルファ博物館です。この博物館では、先史時代から現代に至るまでの人類の歩みを体験できます。また、ハレプリバフチェ・モザイク博物館では、古代の美意識が色とりどりのモザイクによって語られています。

シャンルウルファの旅は歴史だけでなく、味覚の探求でもあります。伝説の泉、バルクル・ギョルを訪れた後、ハッラーンの独特なドーム屋根の民家群を眺めながら地元の料理を楽しみましょう。特に名物の羊のレバー焼きは“食べる遺産”と称され、訪れる人々を感動させています。

人類創造の原点に迫る旅

今後も続く「タシュテペレル・プロジェクト」では、新たな発見が待たれています。2025年には10か所以上の遺跡で発掘調査が行われ、そこで見つかる遺物は、私たちの原点を映し出す貴重な手がかりとなるでしょう。これらの出土品は、単なる歴史の一部ではなく、今の私たちにつながる重要なメッセージです。

トルコについて、これからの発展を期待している方々は、公式ウェブサイトやSNSを通じて最新情報をチェックしてください。シャンルウルファの遺跡巡りで悠久の時を超える旅へ出かけましょう。