墜落防止の新技術「ハーネスアラート」がNETISに登録
高所作業の危険性を軽減するために、吉川工業株式会社が開発した安全帯フック着脱確認システム「ハーネスアラート」が、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録されました。この登録は、現場の安全性向上を図るための重要な一歩といえるでしょう。
ハーネスアラートとは?
ハーネスアラートは、高所作業における安全帯の使用状況を即座に監視し、フックのかけ忘れや未使用を警報音で通知するシステムです。具体的には、安全帯に内蔵されたセンサーが、フックの使用状況を判断し、未使用の場合には警告音を発します。この機能により、作業員は自分の安全を常に意識することができ、墜落事故のリスクを大幅に低減できます。
この技術は、特に公共工事やゼネコン、プラントメーカーなど、さまざまな業界での活用が進んでいます。実際、利用の約60%は足場を使用する高所作業現場で、その後も開口部作業や天井クレーンの点検用途に広がっています。
ハーネスアラートの特長
1.
後付け可能
ハーネスアラートは、市販の安全帯に簡単に取り付けられるため、特別な装置を必要とせず、すぐに導入できます。マジックテープでの取り付けも可能で、誰でも簡単に使用できます。
2.
多様なエリア設定機能
作業環境の異なる現場に対応するため、設置可能なエリアを自由に設定できる3種類の機種を用意しています。これにより、作業現場の特性に合わせた安全対策が実施できる点が非常に魅力的です。
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スポット型: 半径2~7mの範囲でエリアを設定可能。
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ロープ型: 最大40mの横長範囲を自由に形成。
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ワイド型: 最大50mまでカバーでき、より広域なエリア設定が可能です。
建設業の労働災害とその対策
建設業では、依然として年間約300人もの命が失われる労働災害が発生しています。特に「墜落・転落」は最も多く、改善が難しい問題として認識されています。最近の法改正では、安全帯の適正使用や監視が義務付けられ、より一層の安全管理が求められています。
ハーネスアラートがこれらの問題点に取り組むことで、年間2万件以上の墜落・転落事故のリスク低減が期待されています。安全な作業環境を維持するために、このようなシステムが必要不可欠です。
終わりに
ハーネスアラートの導入により、現場の安全性が大幅に向上することが見込まれます。新しい技術の活用が、安全に働く環境づくりに役立つことを願ってやみません。今後も、労働災害を減少させるための努力が求められています。これからの建設業界において、ハーネスアラートは欠かせない存在となるでしょう。