新しい購買体験「偶発購買アーカイブコマース」
株式会社電通ダイレクト、電通、電通デジタルの3社は、企業のオウンドチャネルで魅力的な動画コンテンツを活用し、AIを通じて“偶発購買”を生み出す新ソリューション「偶発購買アーカイブコマース」の提供を開始しました。これは、生活者が日常的に行う購買行動の中で、計画的に情報を収集して購入する「計画購買」だけでなく、偶然目にした情報から購買が生まれる「偶発購買」を意図的に誘発することを目指しています。
偶発購買の実例として挙げられるのがライブコマースです。これは視聴者との双方向のやり取りを通じて一時的な購買意欲を刺激しますが、配信終了後はその効果が薄れてしまうという課題があります。「偶発購買アーカイブコマース」は、こうした短期的な盛り上がりの代わりに、アーカイブされた動画コンテンツが持続的に購買行動を促す仕組みを提供します。つまり、発火点となるコンテンツを資産として蓄積し、長期にわたって商品の魅力を伝えることができるのです。
具体的には、多様な動画プラットフォームでの動画コンテンツ企画・制作を行い、偶発購買を引き起こす工夫が施されています。電通が保有する独自の生活者データと電通デジタルが開発した次世代マーケティング支援ソリューション「∞AI®」を活用することで、視聴データや行動ログを分析し、個別のニーズに応じた動画コンテンツ自動抽出が実現されます。
このアプローチにより、計画購買層に対しても偶発的な購買行動を働きかけることが可能です。また、生活者の購買関心が高まるタイミングに合わせてAIを駆使した広告配信を行い、動画コンテンツが顧客との接点を生み出す“働き続ける購買エンジン”となります。これにより、購買の発火点を多面的に設計し、企業の販売活動を短期・長期の視点から強化することができます。
今後、3社はクリエイティビティ、データ、テクノロジーの融合によって、企業が偶発購買を戦略的に創出できる新しいコマース基盤の提供を目指していきます。これによって、生活者がより便利で魅力的な購買体験を得られることが期待されます。
今回の取り組みは、企業にとっても新たな販売戦略を構築するうえで重要な一歩であり、デジタルマーケティングの進化を示す事例として注目されるでしょう。