2024年7月度のアルバイト時給が過去最高に
2024年7月、株式会社リクルートが運営するジョブズリサーチセンター(JBRC)が発表した調査によれば、三大都市圏におけるアルバイト・パートの募集時平均時給は前年同月比で30円上昇し、1,185円に達しました。この上昇は、販売・サービス系職種や製造・物流・清掃業が過去最高を記録したことを受けてのものです。
三大都市圏の時給動向
首都圏、東海、関西いずれの地域も、前年同月比、前月比ともに時給が増加しています。特に東海では前年比で44円の増加(4.1%)が見られ、平均時給1,115円に達しました。また、首都圏の平均時給は1,220円で、前年同月比で24円の増加(2.0%)を記録しました。関西も同様に26円の増加(2.3%)で、時給は1,148円となりました。これらの数値からも、三大都市圏における労働市場の活性化が伺えます。
職種別の時給動向
職種別に見ると、販売・サービス系が顕著に時給を増加させています。特に、フード系はここ数年で高い時給を記録しており、夏のイベントやお中元需要が影響していると考えられます。また、製造・物流・清掃系でも時給の上昇が見られ、求人が増える中で人材確保が難しくなりつつあります。
人材確保の課題
夏のプライベートの予定が増加する中、企業はシフトの充足に苦戦している様子も見受けられます。すでに在籍しているスタッフのシフトをどのように充実させるかが一つの課題。また、業務スケジュールの見直しが鍵となりつつあります。特に、スタッフが働ける時間帯に合わせて業務の時間を再調整する試みが、シフトの充足に貢献しています。
企業の対応策
例えば、ある企業では「この作業はこの時間に合わせなければならない」という従来の慣習を見直し、スタッフの都合に合わせて作業時間を調整することで必要なシフトを確保することに成功しました。これにより、業務の生産性が向上しただけでなく、従業員の満足度も向上したという利益をもたらしました。
企業は他業界の成功事例を参考にしつつ、自社の業務改善を図ることが求められています。限られた時間でより多くの成果を上げるためには、一時的な人材不足を乗り越える工夫が今後の鍵となるでしょう。
調査の概要
この調査は、全241企業、74万6,113件の有効回答データを基に実施されました。調査対象はリクルート運営の求人メディア『TOWNWORK』および『fromA navi』掲載の求人情報です。調査期間は2024年7月1日から7月31日までで、詳細な結果は公式ウェブサイトで公開される予定です。
日本のアルバイト市場がどのように変化していくのか、引き続き注目していきましょう。