漁業と観光の連携で「稼げる漁村」実現を目指す
高知県土佐清水市の窪津共同大敷組合と観光協会は、漁業と観光の協働による「稼げる漁村」づくりに取り組みます。この新しい地域再生のプロジェクトは、鮮度の追求をもとにした「神経締め」の技術を活用し、漁村の再生を目指しています。
地域の強みを再定義する取り組み
最近、窪津大敷漁港は品質の高い魚が揚がる漁港として知られる一方、漁業者の高齢化や後継者不足、老朽化、コスト面での問題など、全国的に見られる課題に直面しています。これを受けて、41歳の新代表・林氏が就任し、「魚の価値向上」を新たな目標として掲げることになりました。
林代表は「窪津には良質な魚という圧倒的な強みがある。この価値をしっかりと市場に伝えていかなければならない」と語ります。この発言をきっかけに、土佐清水市観光協会が進めた「究極鮮度のまち構想」のもと、官民一体の改革が始まりました。
神経締めの第一人者を迎えて
同プロジェクトの第一歩として招かれたのは、神経締め技術の専門家である長谷川大樹氏です。長谷川氏は、魚の鮮度保持や旨味の維持を科学的に探求し、「漁業者の収益構造を技術で変える」試みを行っています。この技術のおかげで、魚のストレスや腐敗を軽減でき、鮮度が長持ちすることが期待されています。
漁師たちの反応を受けて
窪津漁港の船長たちを対象に実施された神経締めの講習会では、長谷川氏の実演を見た後、試食が行われました。参加者たちは神経締めの効果に驚き、従来の品質とは異なる魚の味を再確認しました。「普段は水っぽい刺身でも、今回は身がしっかりしていた」との声や、「これまでのイメージを覆す味だった」という意見が寄せられていました。
持続可能な地域モデルの確立を
今回の取り組みは、単なる技術が導入されるだけに留まらず、漁村再生計画の中核として機能します。このプロジェクトでは、今後の段階的な進展を図りながら、定置網で揚がる魚の神経締め処理の普及、品質向上を目的とした品評会の開催、さらには料理人やバイヤーとの連携強化に向けた施策が予定されています。
林代表は、漁業が持続可能な地域経済の柱となることを目指し、「この取り組みを起点に、地域全体で新しい未来を築いていく」と語ります。また、観光協会は「究極鮮度の魚を味わえる街」としてPRし、観光人口の増加と販路の拡大にも取り組む方針です。
京都での品評会にご参加を
このプロジェクトの成果を広めるため、2026年2月には京都で魚の品評会を開催する予定です。仲買人や飲食店、一般の方も参加できるこのイベントでは、長谷川氏が手掛けた神経締めの魚の魅力を存分に味わうことができます。興味のある方はぜひ参加をご検討いただきたいですね。
このように、魚の価値向上が漁業者の収入改善に寄与し、観光が地域経済を支えるサステナブルな好循環を生み出す取り組みは、今後の地域再生へと繋がる可能性を秘めています。