2025年 不祥事ランキングの分析
2025年は、多くの企業や団体が不祥事を経験し、特にその影響が社会的な信用に大きく響いた年であった。株式会社宣伝会議が発行する『広報会議』では、全国の1000人を対象に、2025年1月から10月に発覚した不祥事についてのアンケートを実施した。この調査では、イメージが悪化した出来事を上位3つ選ぶ形式で行われ、結果は示唆に富んでいる。
ランキングトップ3の概要
この調査の結果、最もイメージが悪化したものとして選ばれたのは、「三菱UFJ銀行の元行員逮捕、貸金庫から十数億円窃盗」で、28.3%の支持を得た。銀行としては非常に影響力のある存在であるため、今回の事件は多くの顧客に不安を与えたことだろう。次に、「すき家鳥取の店舗でみそ汁にネズミが混入した事件」が22.7%で続き、食の安全を大切にする消費者にとっては許容できない出来事であった。また、第三位には「日テレ番組でTOKIOの国分太一が降板、コンプライアンス問題」が19.6%でランクインした。この問題は、国民的アイドルという位置づけの彼に対する信頼感を損なう結果となった。
なぜこれらの事例が選ばれたのか
調査に参加した人々の自由回答には、各種企業や団体の対応の遅れや情報公開の不足に対する不満が見られる。特に三菱UFJ銀行の事件では、先行して情報を隠す形になったことが、多くの人の不信を招く要因となった。また、すき家のケースでは、衛生管理という基本的な部分への懸念がその後のイメージ回復を難しくしている。消費者は食品業界に対してより厳しい視線を持つことが多いため、このような不祥事が起こるとその影響は大きい。
他の注目すべき不祥事
不祥事ランキングでは他にも、「広陵高校野球部の暴力問題」(17.7%)や「マクドナルドのハッピーセット転売問題」(13.2%)といった問題も印象深いものとなった。広陵高校のケースでは、SNSの拡散が問題をより大きくした一方で、マクドナルドの事例では企業側が対応しきれなかった印象を与えた。
さらに、調査では39.3%が「該当するものがない」と答え、これは例年よりも高い割合となった。このことは、生活者の価値観の変化という社会的な背景を反映しているのかもしれない。
2026年以降に向けての考察
本調査を受けて、企業や団体は危機管理広報の重要性を再認識し、透明性を持った情報発信を求められるだろう。特に、社会からの目が厳しくなる中で、誠実な対応が求められている。『広報会議』2026年1月号では、これらの不祥事を詳しく分析し、企業が危機をどう乗り越えるべきかの情報提供を行っている。今後も私たち一人ひとりが、企業の行動を厳しく見守っていくことが重要である。
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調査機関:ネオマーケティング