農機具王がリユースで実現したCO₂削減の新たな試み
株式会社リンクが展開するブランド「農機具王」が、農機具再利用の意義を明らかにしました。2024年には、トラクターやコンバイン、田植機といった主要農機具の再整備・再販売により、最低でも約9,700トンのCO₂削減効果を実現することが確認されました。この試算は、新品製造時と比較することで環境への影響を可視化し、農業分野における循環型モデルの確立を目指す一環として行われました。
再利用による環境貢献の実績
農機具は通常、新品の製造時に大量の鉄鋼や樹脂を必要とし、1台あたりで数百から数千kgのCO₂を排出すると言われていますが、農機具王では2024年には以下の台数を再利用する計画です。
- - トラクター:2,606台
- - コンバイン:1,286台
- - 田植機:1,031台
これにより、合計で約9,700トンのCO₂を削減することができる見込みです。特にトラクターでは、新品製造に比べ約2.1トンのCO₂が削減され、環境に優しい農業の実現に向けて一歩前進しています。具体的な削減実績は以下の通りです。
- - トラクター:2,400t → 300t(約87%削減)
- - コンバイン:3,000t → 500t(約83%削減)
- - 田植機:1,200t → 200t(約83%削減)
- - 合計:11,350t → 1,631t(約85.6%削減)
「廃棄しない農業」への挑戦
使用済みの農機具は多くの場合、故障やモデル変更を理由に廃棄されてきました。しかし、農機具王では、専門の整備士が再整備を行い、再流通を実現しています。これにより鉄資源や部品の再利用が進むだけでなく、廃棄物の削減や雇用の創出にも寄与しています。
中古農機具を取り扱うことは、単なる「中古品の販売」ではありません。大切に使われてきた機械を次の世代に受け渡すことができるのです。そして、この循環が地球環境にも優しい農業を支えることに繋がります。農機具王は今後もこの取り組みを更に推進し、持続可能な農業の実現を目指します。
参考データ
この試算は、環境省のLCAデータベースを参考にし、鉄鋼製品1kgあたりのCO₂排出量を約2.2kgとしています。対象となるのは2024年の販売実績であり、再整備の際の排出量と新規製造時の排出量の差がこの大幅な削減に繋がっています。
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