ジョホール・シンガポール経済特区がもたらす新たなビジネスチャンス

シンガポールとマレーシアの進む道



シンガポールとマレーシアの両国政府は、2025年1月に開催される第11回マレーシア・シンガポール首脳会談において、ジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)の設立に最終合意しました。この合意は、両国の貿易や投資を促進し、国境を越えた物流の改善を図ることを目的としています。

JS-SEZの目的と利点



JS-SEZの設立により、シンガポールとマレーシア間のビジネスエコシステムが強化され、企業は相互補完的な強みを活かして海外での展開や提携を行うことが可能になります。特に、ビジネスにおけるコネクティビティを高め、両国同士の投資獲得を目指しています。

主な施策



合意の重要な内容として、マレーシアは急成長する事業環境に合わせて、以下の施策を展開します。

1. ワンストップ・ファシリテーション・センターの設立: ジョホール州に設置される「マレーシア投資促進センタージョホール支所(IMFC-J)」は、企業の進出をバックアップし、手続きの簡素化や迅速化を図ります。

2. QRコード通関導入: 2024年3月より、マレーシアとシンガポールを結ぶ陸上検問所で、パスポート不要のQRコードによる通関手続きが導入され、交通渋滞が緩和されます。これにより、利便性が向上し、人の流れがスムーズになることでしょう。

3. 技術・職業教育訓練の強化: 産業界のニーズに向け、技術・職業教育訓練(TVET)のパートナーシップを強化します。シンガポールの教育機関とマレーシアの業界団体による協力により、優れた人材を育成していきます。

経済的結びつきの深まり



シンガポールとマレーシアは、2023年の時点で堅固な経済的つながりを有し、マレーシアはシンガポールにとって第3位の貿易相手国となっています。両国間の貿易総額は1,236億SGD(約14兆円)に達し、シンガポールからの直接投資も増加しています。

2023年には、ジョホール州は310億RM(約1兆540億円)の直接投資を記録しており、その多くが製造業からのもので、今後もシンガポールや米国からの投資を喚起する見込みです。このような経済協力が進むことで、両国のビジネス環境の一層の発展が期待されています。

結論



ジョホール・シンガポール経済特区の設立は、シンガポールとマレーシア両国にとって新しいビジネスチャンスの扉を開く画期的な試みです。これにより、企業はより効率的に国境を越えて活動し、地域全体の経済成長に寄与できるようになるでしょう。この動きは、両国間のさらなる連携を促進し、未来の経済環境を大きく変える可能性を秘めています。

会社情報

会社名
シンガポール経済開発庁
住所
#28-00 Raffles City Tower, 250 North Bridge Road, Singapore 179101
電話番号
065-6832-6832

トピックス(経済)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。