全法連『令和7年度税制改正提言』を決議
公益財団法人全国法人会総連合、通称全法連は、令和6年9月に行われた理事会で、令和7年度の税制改正に関する提言を決定しました。この提言は、経済復興を目指す中小企業の現状を踏まえたもので、特に人手不足や物価上昇に対応する諸施策が強調されています。
中小企業の景況感と課題
新型コロナウイルスの影響から回復しつつある中小企業ですが、依然として厳しい経営環境が続いています。特に、全国的な人手不足が深刻化しており、海外での資源高騰や円安による物価上昇が経営を圧迫しています。地元経済や雇用を維持するためには、中小企業の安定した運営が不可欠です。
このため、全法連は事業承継を含む中小企業へのきめ細やかな税制の支援が必要であると強調しています。これにより地域経済を活性化させることが期待されています。
財政再建と持続可能性
加えて、全法連は国家的な課題として、財政健全化の重要性を指摘しています。日本経済の将来を見据え、歳出と歳入の一体的な改革が求められています。この背景には、日本銀行が物価上昇に対応して行った異次元の金融緩和の終了があり、17年ぶりに利上げを実施したことがあります。「金利のある世界」の到来に伴い、新たな財政再建の目標を設定する必要性が高まっています。
提言内容
全法連の提言には次のようなスローガンが盛り込まれています:
- - 「金利のある世界」が到来。新たな財政再建目標の策定を!
- - 企業への過度な保険料負担を抑制し、経済成長を阻害しない社会保障制度の確立を!
- - 人手不足など厳しい経営環境を踏まえ、中小企業の活性化に資する税制措置を!
- - 中小企業は地域経済と雇用の担い手。本格的な事業承継税制の創設を!
これらの提言に基づき、全法連は政府や政党に対して提言活動を行い、各地の法人会からは地方税や行財政改革についての要望も発信していく方針です。
全法連が示したこの提言は、地域経済の持続可能な発展を目指し、中小企業の支援を強化するための重要な一歩となるでしょう。