再エネを利用した地域活性化の新たな展開が始動
株式会社エナーバンク(以下、エナーバンク)と株式会社まち未来製作所(以下、まち未来製作所)が業務提携を結び、2025年8月から再生可能エネルギー(再エネ)を利用した地域活性化を支援する取り組みが始まります。この発表は2023年12月18日に行われ、両社の代表者が集結した記者会見で明らかにされました。
提携の背景と目的
日本は、第7次エネルギー基本計画において2040年までにエネルギー自給率を現在の2倍以上に引き上げ、さらには再生可能エネルギーからの割合を4~5割にすることを目指しています。しかし、限られた国土において再エネ発電所の立地が可能な地域は限られており、その多くが地方都市に集中しています。そのため、地方における再エネ発電事業の推進が重要視されつつある一方で、自然環境や地域住民への影響、経済効果の地域還元が課題として浮上しています。
こうした背景を踏まえ、両社は再エネ発電から生まれる電力や環境価値を地元に還元する取り組みを進めるために連携を強化します。特に、エナーバンクが提供する『電力リバースオークション』の仕組みを活用することで、再エネ電力の流通量を増やし、地域活性化を後押しする狙いがあります。
e.CYCLEの概要
まち未来製作所が展開する『e.CYCLE』は、地域で生成された再エネ電力を小売電気事業者に卸販売するモデルです。この仕組みを利用して、地域の再エネ発電所が持続可能な形で運営されることを目指しています。特に、需要家に対して適正価格で再エネ電力を提供し、地域にもその恩恵が戻るようなエコシステムの構築を進めます。
提携により、八峰町でのプロジェクトが早速始動しており、地域活性化資金を還元する仕組みも並行して展開される予定です。
電力リバースオークション『エネオク』
『エネオク』は、小売電気事業者相互の入札状況を見られる仕組みで、需要家が必要な電力をより低価格で取得するサポートをするサービスです。この競争方式により、市場の高騰に伴う電力調達の複雑さを緩和し、よりシンプルで効率的な電力調達が可能になります。
今後の展開
今後、両社はさらなる業務提携の拡大を進め、全国各地の『e.CYCLE』プロジェクトを強化していく計画です。この取り組みにより、地域の特性に応じた持続可能な電力システムの確立と、地域経済の底上げを実現していきます。
この業務提携は、再エネを利用した地域活性化の新たなスタンダードを築く可能性を秘めています。今後の展開に注目が集まります。