YKK APが滑川製造所に国内最大級カーテンウォール試験棟を設置
YKK AP株式会社は、東京都千代田区に本社を構える企業で、このたび富山県滑川市に新たにカーテンウォール試験棟「N-CueB」を設立し、2024年1月8日より運用を開始しました。この試験棟は、建築物の高層化や自然災害に対応するために、ビル建材のカーテンウォール(CW)に関する性能試験を強化する目的で作られました。
なぜカーテンウォール試験棟が必要なのか?
近年、都市部における再開発が進む中で、高層ビルの階高が拡大し、それに伴ってカーテンウォールの大型化と重量化が進んでいます。また、気候変動によって記録的な大雨や強風、そして巨大地震が増加しているため、ビルの外壁に求められる耐風圧や水密、耐震性能にも高い基準が必要とされています。これらのニーズを満たすために、従来の試験設備を刷新し、国内最大級の設備を持つ試験棟を滑川製造所に設立したのです。
「N-CueB」については、その名前に込められた意味が重要です。「N」は「Novel(斬新)」「Next(未来)」「Namerikawa(滑川)」の頭文字で、将来の建築技術の創造を目指しています。また、「CueB」は「Curtainwall testing & evaluation Building(カーテンウォール試験評価棟)」の略称で、試験棟の形状である「cube(立方体)」を想起させます。
N-CueBの特徴
新たに建設されたN-CueBは、高さ約27メートル、試験エリアは約1,200平方メートルという広大な空間を実現しており、高層ビル向けの各種性能試験を行うための設計がなされています。この施設では、暴風雨や巨大地震を想定した過酷な条件で性能試験を実施することが可能です。
耐風圧試験では、最大12,000Pa(風速約140m/s相当)の静圧試験が行えるほか、水密試験では7,000Pa±750Paでの脈動圧試験が可能です。さらに、耐震性能の確認では、架台を揺らしてフレームや部材の破損、ガラスの脱落がないかを厳しくチェックします。このように、厳格な環境での試験によって、高品質なカーテンウォールを保証することができます。
試験フロアには十分なスペースが確保されており、製品検査や施工検証、解体検査などの各段階の品質検査にも対応できる体制を整えています。施工現場での各工程をシームレスに行えるように、無柱空間のための移動式クレーンを導入し、プレキャストコンクリートCWなどの重量級ユニットの試験も可能になっています。また、高演色照明を使用することで、自然光に近い環境で外観検査が行えるのも大きな特徴です。
YKK APの展望
YKK APは、「N-CueB」の運用開始によって、カーテンウォールの品質を一層高め、安全で安心な建築物の普及と美しい都市景観の創造に貢献することを目指しています。これにより、建設業界に新しい風を吹き込むことでしょう。
滑川製造所は、高層ビル向けカーテンウォールの製造拠点として重要な役割を担っていますが、その品質向上のために今回の試験棟設立は大きな意義を持つといえるでしょう。今後の展開に期待が寄せられます。