劇団希望舞台、39年の歴史に幕―最後の公演『居酒屋夢子・1969』上演
長年、地域密着型の公演活動を続けてきた劇団希望舞台が、2024年7月19日(金)に開催される『居酒屋夢子・1969』を最後に、39年の歴史に幕を下ろす。
劇団代表の由井数は、「混迷の時代に、わたしたちはだれにも親しまれる『現代の芝居』をめざして日本中を歩きまわり、身近な生活に題材を求めて公演活動を続けてきました」と、劇団設立の理念を語る。
1985年の創立以来、北海道から沖縄まで各地を巡り、旅公演を続けてきた劇団希望舞台。特に1997年から上演されてきた水上勉作「釈迦内棺唄」は、2020年までに540回もの公演を重ね、地域住民に愛されてきた。しかし、コロナ禍の影響で公演活動は大きく制限され、劇団員たちは表現活動の原点を改めて見つめ直す機会を得たという。
由井氏は、「芝居は演ずるものと観る者のどちらが欠けても成立しない、相互に人の心がひびき合う関係の中でしか発展できない」と、演劇の根源的な魅力を強調する。
今回の公演『居酒屋夢子・1969』は、高度成長期真っ只中の昭和44年を舞台に、東京のビルの谷間に佇む小さな飲み屋「居酒屋夢子」で繰り広げられる人間模様を描いている。演歌のメロディーが流れる中、兄妹の運命が明らかになっていく。
高度成長に沸き立つ昭和の時代、夢と希望に満ち溢れていた一方で、人々の心の奥底には孤独や不安が渦巻いていた。そんな時代背景を反映し、登場人物たちの複雑な人間関係や心の葛藤が、舞台上で鮮やかに表現される。
劇団希望舞台の集大成ともいえる『居酒屋夢子・1969』。39年の歴史に幕を下ろすにふさわしい、感動と余韻が残る舞台となることは間違いない。
公演概要
公演名: 居酒屋夢子・1969
公演期間: 2024年7月19日(金)
会場: なかのZERO (東京都中野区中野 2丁目9番7号)
チケット:
カンフェティにて発売中
https://www.confetti-web.com/events/1527
劇団希望舞台公式ホームページ:
https://www.kibou-butai.com/