Lumicept 10.8の新機能と利便性
光学シミュレーション用ソフトウェア『Lumicept』が、2020年3月下旬にバージョン10.8をリリースします。この新バージョンでは、特にぬかりなく実施される照明シミュレーションに関して、従来の問題点を解消する画期的な機能が搭載されました。
ARCHICADデータの自動変換機能
これまで、GRAPHISOFTのARCHICADで作成されたBIMデータを使用して照明シミュレーションを行う際には、IFCなどの標準的な形式でデータを変換し、再度Lumiceptに読み込む必要がありました。しかし、このプロセスではマテリアルや光源の設定情報が適切に移行されず、ユーザーは再設定を余儀なくされていました。
Lumicept 10.8では、OmniPort/ACというARCHICAD用プラグインが追加され、ARCHICADのデータをLumiceptに直接読み込むことが可能になりました。このプラグインを活用することで、形状データだけでなく、マテリアルや光源データも自動的に変換され、よりスムーズで高精度なシミュレーションが実現します。
Rhinoceros 3Dネイティブ形式のサポート
新しいLumiceptは、3D CADソフトウェアのRhinoceros 3Dにおけるネイティブ・ファイル(3DMファイル)の直接読み込みにも対応。これにより、従来必要だった中間ファイル形式からのデータ交換を排除し、データの取り込みがこれまで以上に迅速かつ正確になります。これにより、設計者は作業の効率化を図ることができ、新たなクリエイティブなアイデアを生み出す余裕も生まれることでしょう。
実物に基づいたマテリアルライブラリーの拡充
さらに、Lumiceptのマテリアル・ライブラリーには300以上の新しい材質が追加されます。これらの材質は、実在の素材から得たデータをもとに、高精度な光学特性をデジタル化したものです。これにより、よりリアルな照明シミュレーションが可能になります。
ユーザーは新たに追加された素材を用いることで、迅速に現実の状況に合った設定を行い、シビアな条件下でも忠実なシミュレーションができるようになります。ただし、これらを活用するためにはオプション機能である「SpectReal」が必要です。
Lumiceptを支える基盤とアクセス
Lumiceptの開発を行っている『株式会社インテグラ』は、光学および照明の分野で数多くの技術開発を続けてきたパイオニア企業です。本ソフトは、自動車や建築、電気機器、化学製品など様々な産業において広く利用されています。設計者やエンジニアの業務をサポートするため、Lumiceptは新しい技術革新を取り入れ、次世代の照明シミュレーション環境を提供していきます。
Lumiceptに関する詳細な情報は
公式サイトをご覧ください。これからの設計業務がどれだけ効率化されるのか、一度試してみる価値があります。