Cloudflare、量子時代に備えた新たなセキュリティ技術を発表
2025年3月17日、Cloudflare(クラウドフレア)は新しいゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)ソリューションに、量子コンピューター時代に対応するポスト量子暗号化技術のサポートを拡充することを発表しました。これにより、Webブラウザから企業のWebアプリケーションへのネットワーク通信が、安全にルーティングされ、今後の量子脅威からの保護が一層強化されます。この技術は、企業がそれぞれのアプリケーションやシステムを個別にアップグレードする必要がなく、利用者やデバイスとの間で安全な通信を確保する手助けとなります。
暗号化技術は、個人のメッセージや金融情報、顧客データの保護に不可欠ですが、量子コンピューターの発展に伴い、現在の暗号化手法が脅かされる可能性が高まってきました。特に金融機関や政府機関が導入している従来の暗号化アルゴリズムは潜在的なリスクに晒されています。この問題に対処するため、米国国立標準技術研究所(NIST)は、従来の暗号化アルゴリズムを段階的に廃止し、2030年までにポスト量子暗号化技術を採用する方針を発表しています。
Cloudflareの共同創業者兼CEOであるマシュー・プリンス氏は、「私たちはポスト量子セキュリティをインターネットの新しい標準にし、全ての顧客に提供することで、量子コンピューターによる未来の脅威からの防御を強化しています」と述べました。顧客には、Cloudflareを通じてWebトラフィックを安全に守る新しいセキュリティ機能が直接組み込まれることになります。
Cloudflareは、2017年からポスト量子暗号化技術の研究と開発に注力しており、現在、同社のグローバルネットワークに接続されたトラフィックの35%以上がこの新技術の利点を享受しています。この技術により、企業のデータはパブリックインターネット上でも安全に保護されるように設計されています。
サイバー攻撃からの情報保護
サイバー犯罪者は、今後新たに登場する量子コンピューターを使って、暗号化されたデータを攻撃する可能性があるため、Cloudflareはこれに対応する技術を積極的に展開しています。「Harvest now, decrypt later(今すぐ収集、後で復号化)」という戦略に基づいて、企業はCloudflareのグローバルネットワークを経由しての接続により、未来のサイバー攻撃から情報を守ることが容易になります。
エンドツーエンドのセキュリティで企業を守る
Cloudflareの新技術では、企業はそれぞれのWebアプリケーションのセキュリティを個別にアップグレードする必要がなくなります。「Cloudflare Access」を活用することで、Webブラウザから各アプリケーションへの安全なアクセスをサポートします。また、デバイスクライアントを使用することで、あらゆるプロトコルに対してエンドツーエンドの量子セキュリティを提供できるようになります。
このように、Cloudflareのゼロトラストプラットフォームは、データセンターやクラウド環境を問わず、企業にとって不可欠なセキュリティ機能を提供します。そこで実現する安全なネットワーク構成は、2025年半ばを目途にさらに拡充される予定です。
詳細については、Cloudflareの公式リソースを参照してください。Cloudflareは、インターネットの安全性と接続性を強化し、全ての人々にフリーで質の高いサービスを提供することを目指しています。