船橋市が特定健康診査の電子化を実現
千葉県船橋市では、毎年約8万件におよぶ特定健康診査が行われています。このような取り組みが、近年の健康維持には欠かせないものとなってきましたが、船橋市では特定の検査センターを設けておらず、約150の病院や診療所で診査を実施しています。これまで、各医療機関では紙の診査票を使って診査を行い、そのデータを外部に電子化委託していました。
このような状況を改善すべく、船橋市は新たに独自の電子化事業を開始しました。業務の効率化と経費削減を目的に、AI技術を活用したOCRシステム「FLOW」をメディカクラウド株式会社と千葉県船橋市医師会と協力して開発しました。
FLOWシステムの特徴
新たに導入されるFLOWシステムは、スキャナで読み取った健康診査票を自動的に電子化する仕組みです。これにより、医療機関における手作業での転記作業の負担を軽減することが可能となります。さらに、特定の検査会社からの血液検査結果を直接取り込む機能も備えており、チェックが迅速に行えるようになります。これまでのアナログな手法から大きく進歩したと言えるでしょう。
QOLMSとの連携
特に注目すべきなのが、健康情報管理アプリ「QOLMS(コルムス)」との連携です。このアプリは、受診者自身が健康データを経時的に確認できるような設計となっており、医療機関への再受診時にも情報提供が容易になります。これにより、再検査の必要性を抑制し、時間とコストの削減にもつながるのです。
どの検査会社が対応するのか
FLOWシステムに対応した検査会社は、令和2年度の6月末時点で以下の通りです。
- - 株式会社エスアールエル
- - 株式会社昭和メディカルサイエンス
- - 株式会社LSIメディエンス
- - 株式会社ビー・エム・エル
- - 株式会社江東微生物研究所
- - 一般財団法人東京保健会・病体生理研究所
- - 株式会社サンリツ
- - 株式会社ファルコバイオシステムズ(7月末以降)
これらの企業との連携により、より多くの健康データが迅速に電子化され、受診者へ提供されることが期待されています。
今後の展望
船橋市のこの取り組みは、地域医療における新たなスタンダードとなる可能性を秘めています。健康に関する情報が容易に手に入ることで、受診者の自己管理能力も向上し、結果として地域全体の健康意識を高めることにつながります。今後の成果に期待が寄せられます。