日本原料、ウクライナの水道インフラ復旧を支援
日本原料株式会社は、ウクライナの水道施設の復旧を目指し、同国の技術者を日本に招いて浄水技術のトレーニングを行います。日本政府が主導する緊急復旧計画に基づいて、ウクライナのキーウ市とオデーサ市に向けて、可搬型浄水装置「モバイルシフォンタンク」4基が供与されます。この機器は、新たな水道インフラの構築に向けた重要な一歩となるでしょう。
水道インフラの壊滅的状態
ウクライナでは、ロシアとの戦闘によって多くの水道施設が破壊され、深刻な水不足に苦しんでいます。こうした状況に対応するため、日本政府は独立行政法人日本国際協力機構(JICA)を通じてウクライナ政府と協議し、必要な支援策を検討しています。その結果、ウクライナ国の水道施設の復旧に寄与するため、可搬型浄水装置「モバイルシフォンタンク」が選ばれ、多段階にわたる復旧計画が進められています。
トレーニングの詳細
具体的には、11月6日から11日までの6日間、ウクライナから管理職級の水道技術者3名が高萩工場に招致され、浄水技術に関するトレーニングを受けます。トレーニングのスケジュールは以下の通りです:
- - 11月6日: オープニングミーティング~移動(川崎本社~高萩)
- - 11月7日: 座学(高萩工場)
- - 11月8日: 機器説明(高萩工場)
- - 11月9日: オペレーション実技(高萩工場)
- - 11月10日: オペレーション実技(高萩工場)
- - 11月11日: クロージングミーティング~移動(高萩工場)
このトレーニングを通じて、ウクライナの技術者は可搬型浄水装置の操作方法やメンテナンスについての知識を深め、その技術を母国の水道インフラの復旧に活かすことが期待されています。
可搬型浄水装置「モバイルシフォンタンク」
「モバイルシフォンタンク」は、日本原料が開発した砂ろ過浄水装置であり、従来の浄水装置に必要だったろ過材の交換が不要な持続的なシステムです。これにより、浄水場と同等の水質管理が可能になり、災害時の迅速な対応が可能です。実際に、この装置は国内外での自然災害復旧で広く活用されてきました。
例えば、2018年に発生した西日本豪雨災害では、宇和島市の吉田浄水場が被災し、短期間で代替え浄水場として運用されました。このように、「モバイルシフォンタンク」はウクライナの水道インフラ復旧にも大きく貢献することが期待されています。
日本原料のこれから
日本原料株式会社は、1939年の創業以来、水道事業に貢献しており、長年の技術革新を通じて、多くの水道施設の安全を支えてきました。今後も、国内外での水インフラの安定化に向けて、技術力を活かし、広く地域社会に貢献していく方針です。ウクライナにおける水道の復旧支援はその一環であり、持続的な水供給が求められる今、同社の取り組みがますます重要となります。
日本原料の活動についての詳細は、広報担当までお問合せください。