2025年卒業予定者と2026年卒業予定者の採用動向
株式会社キャリタスが実施した調査により、2025年卒業予定者と2026年卒者の採用動向が明らかになりました。この調査は、2024年9月25日から10月7日の間に、全国の主要企業16,526社を対象に行われ、1,064社からの回答を得ています。調査の結果から、現在の採用市場がどのような状況にあるのかを詳しく見ていきましょう。
2025年卒業予定者の採用状況
最近の調査では、2025年卒業予定者の採用選考が終了した企業は42.1%で、これは過去4年間で最も低い数値となっています。選考が未終了の企業のうち、約6割は予定外の延長を余儀なくされていることが明らかになりました。これには、企業の採用計画に対する不確実性が影響していると考えられます。
内定者充足率についても、平均は65.6%となり、前年同期の67.9%を下回りました。この結果から、企業が求める人材に対して、応募者の質や量に対する満足度が下がっていることが見て取れます。実際、内定者に対する満足度は低下し、質や量ともに「不満」とする企業が増加しています。また、内定辞退が「増えた」と答えた企業が34.9%に達する一方で、「減った」との回答は18.5%に留まりました。
さらに、採用活動全体に対する感想を聞いたところ、約4割が「とても厳しい」と評価しており、「やや厳しい」との回答を合わせると、8割を超える企業が難しさを感じていることが分かりました。これに加えて、採用内定通知前に初期配置を決める企業も増加傾向にあります。
2026年卒業予定者の採用計画
一方、2026年卒業予定者に目を向けると、採用予定数の増加を見込む企業は18.7%に上り、減少を見込む企業の6.4%を上回りました。また、採用予算の増加も顕著に見られます。採用活動を年内に開始する企業は全体の3割強であり、内定出し開始のピークは来年3月頃と予想されています。
特に注目すべき点としては、「早期接触学生のフォロー」に重きを置く企業が多く、次いで「大学との関係強化」が挙げられています。これらは企業が採用に力を入れるべき重点項目として位置付けられています。
インターンシップの実施状況
インターンシッププログラムの実施状況も気になるところです。調査によれば、「夏季プログラム」が71.6%、秋季プログラムが66.2%、冬季プログラムが73.6%の企業で実施されています。オープン・カンパニーを中心に活動が行われているとのことです。なお、夏季プログラムの満足度は前年と比較して若干の改善が見られましたが、依然として半数以上が「想定よりも参加学生が少ない」と回答しています。
総括
今回の調査結果は、2025年卒業予定者にとっては厳しい状況にあり、2026年卒業予定者については希望が見えるものの、依然として企業側の採用戦略は難航していることが示されています。今後の採用市場の動向に注目が集まります。