千葉県が誇る「チバレザー」と野生鳥獣の循環利用の未来
千葉県内において、野生鳥獣の捕獲を新たな価値に変える取り組みが進行中です。シシノメラボという団体が、これらの資源を最大限に活用するために活動し、持続可能な社会に貢献しています。彼らが目指すのは、「獲る→食す→創る/学ぶ→還す」という真の循環資源の概念を確立することです。
シシノメラボの取り組み
シシノメラボは、旧千葉レザー協議会から発展した有志団体であり、野生鳥獣の、特にイノシシやシカの皮を「チバレザー」というブランド名で革製品として再利用することを目指しています。この取り組みは、廃棄される獣皮を無駄にせず、地域の活性化をはかるものです。2024年度には「土に還る展」を開催する予定で、そこではチバレザーの製品が紹介されるほか、革に関する教育ワークショップも行われるとのことです。
環境への配慮
農林水産省によるデータによると、令和5年度に千葉県内で捕獲されたイノシシは約3.5万頭。そのうちジビエとして活用されているのは僅か5千頭、原皮がほとんど活用されない現状は、倫理的にも環境的にも問題があります。このため、シシノメラボは積極的に獣資源化を推進し、「土に還る革」という新たな革製品の開発を進めています。
チバレザーの魅力
「チバレザー」は、千葉県内で捕獲された野生動物の皮を、環境に優しい方法でなめし、最終的に土に還ることを目指す革です。この革の特筆すべき点は、ISO認証を受けた生分解試験を行っており、持続可能性を重視しているところです。環境負荷を最小限に抑えつつ、地域の資源を利用するという理念が込められています。
土に還る革を広めるイベント
シシノメラボは、令和6年度の千葉県ちば地域課題解決実証プロジェクトにも採択されており、「土に還る展」を開催します。イベントには、獣資源化の意義を伝えるブースや、革製品を実際に触れることができる体験コーナーが設けられる予定です。このような取り組みによって、消費者へも獣皮の有効活用についての理解を深めてもらうことを目指しています。
意識調査と市場のニーズ
実施された意識調査の結果、参加者の大多数が野生鳥獣の肉を食べたことがあると答えている一方で、獣皮に触れたことがある人は少なく、特に若い世代からの関心が高いことがわかりました。また、以前のイベントで配布された「土に還る革」のキーホルダーが好評で、今後も関心を集めることが期待されています。
団体の紹介
シシノメラボは、2023年に設立され、千葉県内の獣皮資源を商業的に活用することを目的としています。規模の大小にかかわらず、地元業者と協力し、情報交換を行い、循環資源を実現するためのパートナーシップを築いています。これにより、地域のニーズを踏まえた新たな市場の形成と雇用の創出に寄与しています。
このように、千葉県内のシシノメラボは、野生鳥獣の革利用と地域活性化という二つの重要なテーマを併せ持ったプロジェクトを推進しています。これからもさらに注目です。