CVC投資の現状と課題
2024-06-26 15:05:05

CVC投資の現状と課題:ジャフコとRelicが「JAPAN CVC Report 2024」を公開

CVC投資の現状と課題:ジャフコとRelicが「JAPAN CVC Report 2024」を公開



日本のスタートアップエコシステムは急速に発展しており、スタートアップによる資金調達額は1兆円近くに達しています。しかし、欧米と比較すると、まだ差が開いている状況です。スタートアップが持続可能な成長を遂げるためには、多額の資金調達が不可欠であり、VCだけでなく事業会社(CVC含む)や大学、政府との連携がますます重要になっています。

事業共創カンパニーの株式会社Relicと、投資先企業の累計上場社数が1,000社を超えるジャフコ グループ株式会社は、国内でスタートアップ投資業務に関わる方々を対象に、CVCによるスタートアップへの投資に関する調査やインタビューを実施し、『JAPAN CVC Report 2024』を公開しました。

本レポートは、国内におけるCVCの動向や課題、CVCの運営における戦略的意義を明らかにし、スタートアップエコシステムの発展とイノベーション促進に貢献することを目指しています。

レポートの概要



『JAPAN CVC Report 2024』は、CVCの国内動向や投資戦略、運営の実態、シナジー創出の焦点について、38問のアンケート調査と3社へのインタビューを基に分析しています。調査は2023年12月13日から12月22日の間にオンラインで実施され、国内で投資業務に関わる146名から有効回答を得ました。

レポートのポイント



シナジーと財務的リターンのバランスを重視
「投資戦略」と「投資先と本体/母体企業との間でのシナジー創出数」のクロス集計から、シナジーと財務的リターンのバランスを考慮している投資戦略がシナジー創出に最も効果的であることがわかりました。

CVC運営の課題:意思決定の遅さ、異文化の壁、専門知識の不足
CVCの運営課題として、意思決定に関わる複数のステークホルダー間の連携不足による投資判断の遅れ、本体企業/母体企業との文化的な相違や柔軟性の不足、専門知識を持った人材不足などが挙げられました。

企業概要



ジャフコ グループ株式会社
1973年の設立以来、起業家とともに歩んできたジャフコは、国内外における運用ファンドの出資約束金額が累計で1兆円を超え、累計上場社数も1,000社以上にのぼります。ベンチャー投資に加えてバイアウト投資も展開しており、世界中で革新的な技術・サービスの創造にコミットしています。

株式会社Relic
日本企業の新規事業開発やイノベーション創出を支援する「事業共創カンパニー」です。世界でも類を見ない新規事業開発に特化したSaaS型プラットフォームを提供する「インキュベーションテック事業」、総合的な新規事業開発支援を提供する「事業プロデュース/新規事業開発支援事業」、スタートアップ企業への投資や大企業との共同事業/JVなどを通じてイノベーションを共創する「オープンイノベーション事業」という3つの柱となる事業を統合的に展開しています。

まとめ



『JAPAN CVC Report 2024』は、CVCが直面する課題や今後の展望を浮き彫りにし、日本のスタートアップエコシステムの発展に貢献する貴重な資料です。CVCに関わる企業や個人にとって、今後の投資戦略や事業連携を考える上で参考になるレポートと言えるでしょう。

「JAPAN CVC Report 2024」を読んで



「JAPAN CVC Report 2024」は、CVC投資の現状と課題、そして今後の展望について、詳細な分析と具体的な事例を交えて示した非常に有益なレポートだと感じました。

特に、シナジー創出と財務的リターンのバランスを重視する投資戦略が効果的であるという結果は、CVC投資の成功に欠かせない要素を明確に示しており、今後の投資戦略を考える上で重要な指針となるでしょう。

一方で、レポートではCVC運営における課題として、意思決定の遅さ、異文化の壁、専門知識の不足などが挙げられており、これらの課題克服が今後のCVC投資の成功を左右する鍵を握っていると感じました。

特に、意思決定の遅れに関しては、複数のステークホルダー間の連携不足が大きな要因となっているため、各ステークホルダー間のコミュニケーションを強化し、迅速な意思決定を可能にするための体制構築が重要だと考えられます。また、異文化の壁に関しては、スタートアップ企業との文化的なギャップを理解し、互いに尊重し合える関係を築くことが重要です。

さらに、専門知識の不足に関しては、CVCの専門人材育成や外部専門家との連携を強化することで、質の高い投資判断を下せる体制を構築していく必要があります。

このレポートは、CVC投資に関わる企業や個人にとって、今後の投資戦略や事業連携を考える上で非常に参考になるだけでなく、スタートアップエコシステムの発展に貢献する重要な資料と言えます。

画像1

画像2

画像3

画像4

トピックス(経済)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。