茅台酒が大阪万博で新たな挑戦
2025年6月4日、大阪で開催された万博において「茅台酒テーマデー」が実施され、世界的な注目を集めました。このイベントは、茅台酒のグローバル戦略において重要な一歩を踏み出した瞬間でもありました。1915年にサンフランシスコの万国博覧会で金賞を受賞し、以来、茅台酒は世界三大蒸留酒の一つとしてその名を馳せてきました。現在、茅台は中国パビリオンのなかで唯一の戦略的協力ブランドとして登場し、110年ぶりに国際舞台に再び立つことができました。これにより、100年以上の歴史を背負うブランドが国際展開を進める姿勢を鮮明に示しています。
茅台の成長の軌跡
茅台酒は、赤水河流域に根ざした酒造所から発展し、現在では時価総額36兆円を超える企業へと成長を遂げました。この安定した成長は多くの経営データによって裏付けられています。2001年以降、売上高と純利益が24年連続で増加し、特に2024年の純利益は1兆7440億円に達し、前年比で15.38%の増加を記録しました。また、経常利益も18年連続で増加し、平均成長率は25%以上という好成績を収めています。
これらの実績は、茅台酒が高級消費財として市場において確固たる地位を築いた証拠であり、海外市場進出のための強力なブランド力を示しています。2024年には、海外市場での売上高が1000億円を超え、2100トンの輸出を実現しました。
モデル市場としての日本
茅台は現在、香港、日本、シンガポールを重点的なモデル市場として設定し、特に日本市場では「茅台酒文化フェスティバル」を開催するなど文化プロモーションを活発化しています。イベントでは、ジャンシャン白酒のプレミアム価値を高め、現地のハイエンド市場への影響力を強化しています。また、茅台は日本の食文化へのアプローチ方法を模索しており、和食との融合を考慮した提案にも力を入れています。
茅台酒テーマデーの意義
万博における「茅台酒テーマデー」は、中国パビリオンにおける唯一の企業として開催され、特別な記念酒を発表しました。同イベントには、茅台酒廠のCEO張徳芹氏や日本の文化交流の歴史を語る松崎君代氏も登壇し、茅台酒の重要性を再確認しました。張氏は「茅台は貴州から成長した企業であり、『品質は生命』という信念を持っており、万博を通じて世界中から学びたい」と語りました。
持続可能な発展への取り組み
茅台はESG(環境、社会、ガバナンス)での取り組みも積極的です。毎年、赤水河流域の生態系保護に約10億円を投じ、醸造廃棄物の100%資源化を図っています。また、2023年にはヨーロッパのEFQMで最高位の「7ダイヤモンド」認証を取得し、環境責任を果たす姿勢を示しています。これらの取り組みは日本の持続可能性を重視する価値観とも共鳴し、企業の新たなブランディングの基盤を築いています。
新たなビジョンの展望
歴史あるブランド茅台が万博での出演を通じて、革新的な成果を示すことができました。今後も、体系的で穏やかな国際化を進めていくという目標を持つ中、茅台は「中国の白酒を、世界で共に」という新たなビジョンを掲げています。これにより、文化の架け橋としての役割を果たし、国際的な市場での地位を強化していくことでしょう。