経営者が求めるCFO像とは？その背景と最新意識調査を分析

CFOに求められるスキルと経歴

近年、企業におけるCFO（最高財務責任者）の役割はますます重要視されています。株式会社レックスアドバイザーズによって実施された「CFOに関する意識調査2024」では、会社経営者1,000名を対象にCFOに求めるスキルや望ましい経歴について調査が行われました。

CFOに期待されるスキル

調査結果によると、経営者がCFOに最も求めるスキルには次のようなものが挙げられました。
1. 財務戦略スキル（51.2%）
2. 経営管理スキル（46.8%）
3. 資金調達スキル（36.2%）
4. 経営改革スキル（34.4%）
5. 事業戦略スキル（30.5%）

特に、従業員数が1,000人を超える企業では、事業戦略やリスクマネジメントに関連するスキルの需要が高まっていることが分かります。

CFOの経歴

さらに、どのような経歴の人にCFOになってほしいのかという問いに対しては、以下のような順位が示されました。
1. 公認会計士（20.1%）
2. 上場企業のCFO経験者（18.7%）
3. 銀行出身者（18.5%）
4. 税理士（17.4%）
5. スタートアップCFO経験者（13.6%）

特に従業員数1,000人以上の企業では「銀行出身」および「上場企業のCFO経験者」が同率で求められています。これは、金融業界や経験豊富な上場企業での実績が高く評価されていることを示しています。

攻めのCFOと守りのCFO

この調査では、CFOに求められるスタンスについても興味深い結果が得られました。CFOを「攻め」の姿勢で捉える経営者が61％に対し、「守り」の姿勢を重視するのは39％。これは、企業が積極的な事業展開を望んでいることを反映していると言えるでしょう。また、1,000人以上の企業では、「攻めのCFO」に近いとする割合が77.1%と高まっています。

スキル不足の自認

経営者自身が不足しているスキルについての質問では、多くの経営者が「財務戦略スキル」や「資金調達スキル」といった重要な側面での不足感を抱いていることも明らかになりました。これにより、信頼できるCFOが企業の財務戦略をリードすることへの期待が高まっていることが伺えます。

ケーススタディ

さらに、経営危機や苦境においてCFOが大きな役割を果たすことを求める意見も多く見られ、52%の経営者が「経営危機ではCFOに頼りたい」と答えています。これは、CFOが単なる財務管理役に留まらず、企業の経営戦略を左右する中心的な役割を果たすべきであるという認識に基づいています。

経営者の理想像

CFOに対する期待には「サポートしてくれるタイプ」と「グイグイ引っ張るタイプ」があり、サポートタイプが70%の支持を受けています。また、意見を率直に言う「ズバズバタイプ」が59%と高く、経営者はCFOに対して積極的なコミュニケーションを求めているようです。

CFOの年収と採用状況

理想のCFOには平均1,811万円の年収が提示され、特に1,000人以上の企業ではその額が3,180万円に達します。この年収水準は、CFOが企業においてどれほど価値のある存在であるかを物語っています。経営者の6割以上が優秀なCFOを迎えたい考えを持っていることも、今後のCFOの市場において大きな意味を持つでしょう。