横浜市とアムコンが新たな汚泥処理技術に挑戦
横浜市は、持続可能で効率的な下水処理システムの構築を目指し、アムコン株式会社と共に新型汚泥濃縮機の共同研究を開始します。この研究は2024年10月から始まり、横浜市南部汚泥資源化センターにおいて実証実験が行われます。実証実験の期間は2025年5月から2026年5月まで予定されており、ウォーターレギュレーションの最前線での挑戦となります。
研究の背景
高まる環境保全のニーズに応えるため、横浜市では家庭や工場からの下水を効率良く処理し、その過程で発生する汚泥は濃縮され、最終的に焼却または燃料化されます。この中で、濃縮プロセスは特に重要な役割を持ちます。しかし、従来の濃縮機はコストや環境負荷の面で課題がありました。そのため、アムコン株式会社は新しい技術の開発に乗り出しました。
新技術の特徴
アムコンが開発した「多重板型2軸スクリュープレス濃縮機」は、既存の技術に比べて圧倒的な処理能力を持ちながらも、耐久性や静音性、省エネルギー性能に優れています。この新技術は、より多くの汚泥を効率良く処理しながら、環境への負荷を低減することを目指しています。
期待される成果
この共同研究の成果により、以下のような具体的な改善が期待されます。
1.
濃縮効率の向上: 汚泥濃度TS1.0%からTS5.0%への高効率な濃縮。
2.
コストの抑制: 摩耗を最小限に抑え、メンテナンスコストを減少。
3.
安定運転: 減耗を抑えた安定した脱水性能。
4.
静音設計: 都市環境でも使用可能な低騒音・低振動の設計。
5.
環境配慮: わずかな洗浄水量で運用し、省電力を実現。
この技術は、これまでの濃縮機が抱えていた課題を同時に解決するものとして期待されています。
将来的な展望
実証実験の結果が成功すれば、この新型濃縮機は正式に製品化され、全国の下水処理施設への導入が進められます。また、アジアや北米、中南米といった海外市場への展開も視野に入れており、持続可能な水インフラの形成に寄与することが期待されています。
会社情報
アムコン株式会社は1974年に設立され、主に汚泥脱水機や各種排水処理装置の開発・製造を行っています。本社は神奈川県横浜市港北区に位置しています。さらに、汚泥処理だけでなく、給排水設備のメンテナンスや水質分析を行う事業も展開しています。
公式ウェブサイト:
アムコン株式会社
この新たな挑戦が、未来の都市型インフラを支える重要な一歩となることを願っています。