越境学習の効果を左右する仕事の構造
近年、企業の人材育成において注目を集めている越境学習。しかし、この学習法がなぜ効果を発揮する場合とそうでない場合があるのか、リクエスト株式会社が発表したレポートが疑問に答えています。このレポートは、越境学習が効く条件や、効かない理由について、人的資本開発プランニング®センターのデータ分析を基に整理しています。本記事では、その内容を詳しく探ります。
越境学習とは何か?
越境学習は、他の部署や異分野の業務を体験することで、学びを深める施策です。しかし、実際に現場からは「学んでも業務が変わらなかった」との声も挙がっています。これは、越境によって得られた学びが、実際の仕事にどのように影響を与えるかが重要であることを示しています。
学びの残らない理由
レポートでは、越境学習の効果の有無は、個人の意欲や能力の問題ではなく、越境前後の「仕事の作られ方」に起因するとしています。具体的には、越境学習後も同じ業務手順で進む場合、その経験は無駄になりがちです。
どのような状態が「効く」とされるのか?
越境学習が「効く」状態は、以下のような変化が業務に表れていることです。
- - 新たに確認したポイントが増える
- - 確認不足だった判断が意識される
- - 判断に対する理由を説明する場面が増加する
こうした具体的な変化が見られた場合、越境は学習として効果を発揮します。
行動データ分析から見えた分かれ道
人的資本開発プランニング®センターが保有するデータからは、越境学習の効果が越境の設計よりも、実際の業務の進め方に影響を受けやすいことが示されています。特に、前例に依存した業務進行や、判断理由が言語化されていない場合、越境学習で得た気づきはほとんど活かされない傾向があることが明らかになりました。
逆に、日常業務において「なぜその判断をしたのか?」などの確認が組み込まれている場合、越境学習の経験が判断基準の再構築に貢献する可能性が高くなります。
より効果的な越境学習に向けて
本レポートが強調するのは、「越境学習を増やすべきだ」という立場ではなく、越境後も学びが生きるように仕事の設計を見直す必要があるという点です。越境学習は単なる施策として済ませるのではなく、組織の仕事の進め方そのものを見直すための視点として活用されるべきです。
まとめ
越境学習は人材開発において大きな可能性を秘めていますが、その効果を最大化するためには、業務の進め方や判断基準を見直す必要があると言えます。本レポートを通じて明らかになった洞察は、今後の企業の人材育成戦略にとって貴重な指針となるでしょう。今後もこの領域での研究や実践が進むことが期待されます。