神戸製鋼所とパナソニックコネクト、アーク溶接新工法を共同開発

神戸製鋼所とパナソニックコネクトの新たな取り組み

株式会社神戸製鋼所とパナソニックコネクトは、自動車・二輪車業界において溶接品質の向上と電着塗装性の改善を目指すアーク溶接新工法・新溶接材料の共同開発に合意しました。この協業の目的は、近年の厳しくなる環境規制に対応し、製品の品質向上を実現することです。

環境規制強化と自動車業界の変革

近年、世界各国で自動車の排ガス規制が強化され、メーカーは燃費向上やCO2排出削減を追求しています。特に、車体の軽量化が重要な課題となっており、高張力鋼板や亜鉛めっき鋼板といった新素材の採用が拡大しています。

適用される新素材はその強度が高い一方で、プレス加工性に難点があり、溶接工程での品質確保が重要な課題として浮上しています。特に、溶接後に残るスラグが原因で腐食が生じる問題が解決されなければなりません。

事業の協力による新技術の創出

今回の共同開発では、両社が新たな溶接工法と材料の普及を目指しています。新工法では、ビード形状と溶込み形状の適正化により、溶接性能の向上を図りつつ、高速溶接も実現しています。具体的には、神戸製鋼所のAXELARCプロセスを基に、パナソニックコネクトの新ロボットコントローラーTAWERSを用いて調整が行われました。

また、新型ロボットコントローラーG4にオプションソフト「AXEL-AWP4」を搭載し販売を開始することで、自動車業界のニーズに応えます。神戸製鋼所は、この新工法に合わせた新しい溶接ワイヤ「AXELARC(TM) AX-1AS」と「AXELARC(TM) AX-1A」の販売も開始しました。

新工法・新材料の特長

1. 幅広いビード形状と溶込み形状の最適化
- この新工法はロバスト性を向上させ、製造上のバラツキに対しても安定した溶接品質を維持します。

2. 亜鉛めっき鋼板の溶接性向上
- 新工法により、これまで扱いが難しかった亜鉛めっき鋼板の溶接性が向上しました。

3. 電着塗装性の向上
- 「AXELARC(TM) AX-1AS」に特有な特長で、塗装工程のクオリティを実現します。

お客様への提案とサポート

両社は、この新工法や新素材のメリットを迅速に顧客に伝え、使用支援を行います。これにより、顧客が新しい技術を円滑に活用できるようサポートすることが期待されています。

関心がある方は、パナソニックコネクトの公式ウェブサイトで詳細情報を確認することができます。新技術によって、自動車業界がどれほど変革するのか注目が集まっています。